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2013 年度 実施状況報告書

OJT型スクールリーダー育成プログラムの開発的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23531063
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

久我 直人  鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20452659)

キーワードスクールリーダー / OJT型研修 / 学校組織マネジメント / 子どもの意識と行動の構造 / 課題解決プログラム
研究概要

本研究の目的は,スクールリーダーとしての学校改善力を育成するための研修プログラムを開発することである。スクールリーダーとして求められる主要な能力として以下の3点を設定し,OJTを基盤としたスクールリーダー育成プログラムの開発を本研究の目途としている。①学校全体を鳥瞰的にとらえ,根拠に基づいて学校課題を分析する能力(スクールアセスメント能力),②学校の課題を組織的・協働的に解決する「課題解決プログラム」を構築する能力(課題解決プログラム構築能力),③学校の教職員の組織化を促し,教育改善(子どもの変容)を実現していく能力(課題解決プログラム展開能力)である。
本研究は,研修プログラムの開発にあわせて,スクールリーダー育成プログラム構築の基盤となる①スクールアセスメントシステムの開発,②「課題解決プログラム」の基本モデルの開発,③「課題解決プログラム」の展開手順の開発をあわせて進めることとしている。
本年度は,昨年度までの成果を踏まえて,より効果的に教育改善(子どもの変容)を生み出す「課題解決プログラム」の開発と,その展開手順の明確化を進めた。
具体的には,教職大学院院生の実習校,並びに小学校4校,中学校2校の研究実践協力校の協力を得て,①「子どもの意識と行動の構造」に適合した効果的な「課題解決プログラム」の構築,②教職員の協働を生み出す組織マネジメントの展開手順の精緻化を進め,③スクールリーダーとして求められる資質能力の伸長にかかる検証を進めた。
結果,子どもの実態と課題に基づいた課題解決プログラムの効果性と,組織化を促すマネジメント展開手順の有効性がエビデンスベースで確認され,それを主体的に駆動したファシリテーター教員(スクールリーダー)の知識と技術の伸長がとらえられた。
一方,学校経営にかかる今日的な課題や生起する問題等について,研究実践協力校の校長に聞き取りを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究実績のなかで,①「スクールアセスメントシステム」の開発,②子どもの意識と行動の構造に適合した「課題解決プログラム」の開発,③学校組織マネジメントの理論に基づく「課題解決プログラム」の展開手順の明確化について,計画的に進めることができた。
特に「子どもの意識と行動の構造」の解析を行い,その構造に適合した「課題解決プログラム」を構築したことによって教育改善(子どもの変容)を効果的に生み出すことがてエビデンスベースで確認された。
さらに,課題解決プログラムをファシリテートするスクールリーダー(教職大学院生)の資質と能力の伸長について検証を進め,想定した効果について一定程度確認された。
以上のことより,本研究がおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

本研究で開発した指導論と組織論を融合した「課題解決プログラム」を基盤として,「課題解決プログラム」を,組織的に展開するための展開手順を精緻化し,総体としてのOJT型スクールリーダー育成プログラムの構築を進める。
そのために「課題解決プログラム」を学校組織(教職大学院院生の実習校,並びに研究実践協力校)に導入し,,①スクールアセスメントシステムの実施におけるファシリテート,②学校の課題の焦点化を進めるための組織的省察のファシリテート,③学校の課題に適合した目標と具体的取組の設定におけるファシリテート,④協働的実践におけるファシリテート,⑤組織的評価・改善におけるファシリテートの在り方を抽出し,課題解決プログラムの展開手順の基本モデルを整理する。また,優れた学校経営を推進している校長への聞き取り調査を行い,学校改善を促進するファシリテートの在り方を抽出する。これら知見からスクールリーダーとしてのファシリテートの在り方を整理し,スクールリーダー育成プログラムを構築する。
学校改善プログラムを教職大学院の院生の実習校並びに研究実践協力校へ導入・展開するために,直接,研究実践協力校等へ訪問する。また,優れた校長への聞き取り調査を行うための学校訪問を行う。これら学校訪問にかかる旅費を計上する。
また,スクールアセスメント,学校改善プログラムの導入にかかる参加者の聞き取り,優れた校長への聞き取りにかかるデータの処理・分析・整理にかかる物品,書籍等と人件費について計上する。
以上のように次年度の研究費の使用計画を立てている。

次年度の研究費の使用計画

計画どおり研究を遂行しているところであるが,予定よりも廉価に物品が納入されたため。
平成26年度の助成金とあわせて,物品等に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 中学生の意識と行動の構造に適合した教育改善プログラムの開発的研究―教育再生のシナリオの理論と実践―2014

    • 著者名/発表者名
      久我直人
    • 雑誌名

      教育実践学論集

      巻: 15 ページ: 39-51

    • 査読あり
  • [学会発表] 中学生の意識と行動の構造に適合した教育改善プログラムの開発的研究―生徒指導困難校の教育再生のシナリオの理論と実践―

    • 著者名/発表者名
      久我直人
    • 学会等名
      日本教育経営学会
    • 発表場所
      筑波大学筑波キャンパス(茨城県)
  • [学会発表] OJT型教職実践力育成プログラムの開発的研究-鳴門教育大学教職大学院における教職実践力育成の実践研究―

    • 著者名/発表者名
      久我直人,佐古秀一,小坂浩嗣,前田洋一
    • 学会等名
      平成25(2013)年度日本教育大学協会研究集会
    • 発表場所
      札幌全日空ホテル(北海道)

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公開日: 2015-05-28  

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