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2012 年度 実施状況報告書

日本的人材育成システムにおける企業内教育と職業能力開発の展開に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23531067
研究機関福岡教育大学

研究代表者

永田 萬享  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70155935)

キーワード企業内教育 / OJTとOffJT / 職業教育 / 公共職業訓練 / 委託訓練
研究概要

調査対象のC社は日本を代表する自動車メーカーである。技能員は高校卒業後、すぐに職場に配置される層と、C学園を卒業後に配置される層に分かれる。C学園は全日制の教育機関で、高等部と専門部に分かれる。
高等部は中卒3年課程で、高卒資格を獲得するコースである。基本理念は、生産活動の中核となる技能者を養成することである。専攻科は鋳造科、塑性加工科、機械加工科、精密加工科、自動車製造科、自動車整備科、木型科、金属塗装科の8科である。いずれも、学科28%、実習44%、心身教育28%の割合を占める。3年間で5664時間である。約80%が工場の生産部門、すなわちラインに配置される。
後者は、高卒1年課程で電子機械科と製造設備科から成る。教育目的は、メカトロ設備の製作及び整備員の育成である。この目的にそって、メカトロニクスの基礎と実習を中心に教育内容が設定されている。約70%が工場の設備、機械のメンテナンスや調整・修理を行う保全職場に配属される。
調査対象のD社は日本を代表する鉄鋼メーカーである。ライン系の一般技能員に対する教育訓練は新入社員教育から始まる。新入社員教育に続いて、フォロー研修、ライン運転マン整備研修、専門技術・基礎学科研修、専門技術応用レベル研修、産業技術短大派遣などが、一般技能員を対象に行われる。入社直後から中堅層に至るまで系統的・段階的な技能・技術教育が行われている。一方、保全マンの教育については3か月間の導入教育をラインマンとともに受けた後に、6か月間の集合教育(OffJT)を受ける。内容は機械、電気、計装の体系的な技能教育である。これらと並行してOJTも行われる。
E県の公共職業訓練校の再編・統合は1985年から始まるが、9校から7校へと集約・縮小され、学科再編を余儀なくされている。「訓練科目の見直し」に基づいて、ビジネス関連科目の積極的な委託訓練が展開されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目の研究計画にそって、日本の基幹産業である自動車産業と鉄鋼業を取り上げて、予定通り順調に企業内教育訓練調査をこなしてきた。詳細なインタビュー調査とともに、資料の収集を行うことができた。また、都道府県の公共職業訓練調査についても、職業能力開発業務を所轄する県庁担当部局そして職業能力開発校の調査を行うことができた。聴き取り調査のテープ起こしもほぼ終了するともに、期待していた関連資料を収集することができており、当初の研究計画は達成したと考えている。

今後の研究の推進方策

すでに平成23年度に電機産業を対象とした企業調査および企業内教育訓練機関調査については順調にこなしてきた。続く平成24年度では鉄鋼業と自動車産業を調査対象として、計画どおりに進めてきた。次年度の平成25年は最後の年でもあり、これまで進めてきた電機産業、自動車産業、鉄鋼業の企業内教育調査をまとめるとともに、大都市圏と地方の公共職業訓練校調査を行い、それらを総合的にまとめることにより、日本的人材育成システムの特徴を明らかにする。同時に公共職業訓練の果たす役割、機能について考察をする。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 産業教育・職業教育学ハンドブック2013

    • 著者名/発表者名
      永田萬享他
    • 総ページ数
      309ページ
    • 出版者
      大学教育出版

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公開日: 2014-07-24  

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