研究課題/領域番号 |
23531068
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
河内 祥子 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (70452703)
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研究分担者 |
植村 善太郎 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (20340367)
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キーワード | 教育法規 / 危機管理 / 学校経営 / 学校事故 / 教育裁判 |
研究概要 |
日本社会において人々の権利意識が向上するなかで、損害賠償を含む「金銭を目的とする」訴訟の件数が増加する傾向にある。学校等においても様々な理由で損害賠償を求められる可能性があり、このような学校の法化現象が学校経営に及ぼす影響が懸念されている。 そこで、本研究は学校事故に関する学校現場の危機管理の在り方について教職員のリスク認知などについて調査し、同時に学校事故の代表的な裁判例を収集し、これらから学校における危機管理体制の在り方について分析を進めることを目的としている。 昨年度に引き続き、『判例タイムズ』及び判例データベース等を活用し、学校事故判例の分類を試みているところである。教育活動中の事故に関しては、学校側に求められる注意義務として、教具等の利用に応じた指導、子どもの特性に応じた指導、教員の無作為(離席や見過ごし)等が争点となる傾向が見られる。なお、教具等に関しては、「公の営造物」に対する管理者の設置管理上の瑕疵が問われた事例も存在している。次年度も裁判例の比較・検討を行いつつ分類作業を進める予定である。 また、教員のリスク認知等について明らかにするため昨年に引き続きヒアリング調査を実施した。今年度は、新たに予備調査を実施し、学校における事故の発生度合いや学校事故等に関する裁判についての教員の認識やイメージ等について捉えることを試みた。これらの調査の分析結果を踏まえ、次年度に実施するアンケート調査の質問項目を再度検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究の整理を行った。 教職員へのヒアリング調査に加え、アンケート調査(予備調査)も一部実施している。 学校事故に関する判例収集も判例データベース及び『判例タイムズ』などを利用し、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度公立学校教職員を対象としたアンケート調査を実施する予定にしている。予備調査の結果を踏まえ、質問項目を再度見直し、本調査を実施する。なお、対象者に件区湯の目的や意図を理解してもらい、協力を仰ぎ、具体的に調査対象を確定させる作業を進めているいるところである。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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