研究課題/領域番号 |
23531075
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
清原 みさ子 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (00090366)
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研究分担者 |
豊田 和子 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (80087915)
原 友美 愛知県立大学, 教育福祉学部, 非常勤講師 (80448703)
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キーワード | 保育史 / 保育所・幼稚園 / 占領期 |
研究概要 |
本年度は前年度に引き続き、昭和25年度までに設立されていた保育所への訪問、資料収集を行った。そのなかで、福岡県では昭和20年代には、保育所と幼稚園が一緒に組織を設立し、研究を進めていたことが、わかってきた。このことは、「九州保育新聞」の分析からも明らかになったので、保育所と同様、昭和25年までに設立されていた幼稚園を対象に、訪問、資料収集を始めた。また、福岡県では共同募金から保育所への補助が多かったと思われるので、その資料の収集・分析を行っている。 保育所に関しては、訪問、資料収集を行い、平成23年度に対象としたところに加えて、合計14ヵ所の資料が収集できた。幼稚園は、『福岡県社会福祉事業史 別冊』(福岡県社会福祉協議会編・発行、昭和57年)のような資料がないため、『福岡県私立学校総覧』(県政タイムス社編、福岡県私立学校総覧刊行会、昭和33年)や『30年のあゆみ』(北九州私立幼稚園連盟30年のあゆみ編集委員会編、北九州私立幼稚園連盟、昭和51年)等から、設立年を探り、資料の有無を問い合わせ、訪問を始めた。また、福岡県私立幼稚園振興協会の加盟園名簿をいただき、対象とする幼稚園の確認をしている。 平成23年度及び24年度に収集した保育所(資料収集・聞き取り調査 6ヵ所、資料収集 8ヵ所)の資料から、「保育者・資格」「施設・設備」「保育内容(行事を含む)」に分けて、分析を進めている。 その結果に関しては、日本教育学会第72回大会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
戦後60年が経過していることから、資料の入手はかなり困難である。しかし、写真・アルバム以外の資料も、多くはないが収集できた。また、当時のことを知る方からの聞き取り調査を行い、貴重な話を聞くことができた。 施設開設(保育の開始)と認可の年は必ずしも同じではなく、保育所、幼稚園の統計資料だけでは分かりにくいこともあり、昭和25年までに開設された保育所、幼稚園で現存するところをすべて明らかにすることが、まだできていない。また、保育所から幼稚園に変わったところ、およびその逆の場合は、認可年だけではいつ開設されたかが分からないため、市町村の統計資料等からも探ることに着手した。
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今後の研究の推進方策 |
昭和25年までに開設され、現存する保育所・幼稚園を、さまざまな資料にあたりながら、早急に明らかにする。そのうえで、前半には、研究協力者の協力のもと、資料収集・聞き取り調査を終了するように、分担しながら進める。 日本教育学会第72回大会での発表に向けて、収集した保育所の資料を分析し、保育所への共同募金からの補助、保育所の状況(保育者・資格、施設・設備、保育内容等)等を明らかにする。 後半は、平成23年度から集めた諸資料、聞き取り調査の検討、分析を行う。福岡県における占領期を中心とした戦後保育の実際をできる限り明らかにし、保育先進県の一つであった福岡県の実践から、現代の保育を考える上で学ぶべきことは何なのかを究明する。特に、保育所と幼稚園の関係、一元化が問題になっている今、戦後の福岡県の保育所、幼稚園の研究組織を含めた状況は、示唆に富むと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続き資料収集・聞き取り調査を行う。― 旅費 日本教育学会第72回大会で、発表する。 ― 旅費、学会参加費 集めた資料の整理を行う。 ― 人件費・謝金 研究会を月1回程度開催し、まとめの報告書を作成する。それを電子データとして公開できるように試みる。 - その他(会合費、印刷費)
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