研究課題/領域番号 |
23531083
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
福本 みちよ 玉川大学, 通信教育部教育学部, 准教授 (40387410)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 学校評価 / 学校支援 / ニュージーランド |
研究概要 |
本研究の目的は、学校評価に連動した学校支援のシステム開発にある。現在わが国の学校評価システムは、文部科学省「学校評価ガイドライン」(平成22年改訂)を基盤として運用されている。このガイドラインにおいて、「設置者等による学校に対する支援」は学校評価システムの一要素として位置づけられながらも、その定義・内容・手法・期待される効果等は明確にされていない。その理由は、これらに関する研究成果の蓄積が浅く体系化が困難なことにあり、学校支援の必要性は認識されていても、そのシステム開発は途上である。本研究では、この現状を改善し学校評価を有効に機能させるために、学校評価と学校支援を同時並行的に開発してきたニュージーランドを先進事例として、日本における学校支援のシステム開発に取り組んでいる。 本研究では、学校評価と連動した学校支援システムの開発に必要な要素として、(1)学校に対する「支援」の理論の整理、(2)学校側の支援に対するニーズの分析、(3)学校支援の手法の類型化と費用対効果の分析、(4)学校支援者に求められる力量の分析と支援者養成プログラムの開発、の4点を設定し研究に取り組んでいる。 本研究を進めるにあたり、まずは「支援」の定義を明確にする必要がある。そのため、23年度は「支援」についての理論の整理を行った。理論分析の視点として、「政策科学領域」、および「学校経営・学校組織開発領域」の二領域を設定し、理論研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「平成23年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書」に記載した通り、23年度は「学校に対する「支援」に関する理論分析のための先行研究の収集・分析を行った。分析の視点として設定した二領域について、「学校経営・学校組織開発」領域については順調に分析が進んでいるが、もう一つの「政策科学」領域については、分析の基盤となる基礎知識の収集に時間がかかり、予定した先行研究の分析がやや遅れている。しかし、全体としてはおおむね順調に進行中と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
23年度の理論分析に基づく基礎研究をふまえ、今後は(1)NZにおける学校支援モデルの分析(「学校支援」実施主体(実施者)、被支援者、支援内容による「学校支援」の類型化)、(2)日本における学校支援の実施実態の把握、(3)学校支援実施者に求められる力量の検証と学校支援実施者養成システムの開発、(4)学校支援システムの開発と効果の検証、(5)研究成果の公表、という流れで本研究を進めていく。 なお上記の中で、24年度は(1)NZにおける学校支援モデルの分析(「学校支援」実施主体(実施者)、被支援者、支援内容による「学校支援」の類型化)と、(2)日本における学校支援の実施実態の把握、を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記「今後の研究の推進方策」に記載した(1)は、科研申請の段階では23年度の研究内容として設定していたため、これに関連する予算(海外旅費、ICレコーダー、ノート型パソコン、現地収集資料代等)は23年度予算として配当されている。しかし、交付申請の段階で、上記(1)を実施するにあたって指導をいただく予定であった現地の研究者が23年度中は在外研究に出ることが判明したため、急きょ24年度の研究内容として交付申請書には記載した。以上のことから、23年度予算として配当された(1)の関連予算は24年度に繰り越し、上記「今後の推進方策」に記載した通り、24年度は交付申請書に記載した研究実施計画にもとづき研究を実施する。 また24年度に配当予定の研究費については、その主たる支出は上記(2)にかかる国内旅費、および(1)の補足調査にかかる海外旅費、そしてそれらの調査結果の整理に費やす予定である。
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