本研究の目的は、学校評価に連動した学校支援のシステム開発にある。現在わが国の学校評価システムは、文部科学省「学校評価ガイドライン」(平成22年改訂)を基盤として運用されている。このガイドラインにおいて、「設置者等による学校に対する支援」は学校評価システムの一要素として位置づけられながらも、その定義・内容・手法・期待される効果等は明確にされていない。その理由は、これらに関する研究成果の蓄積が浅く体系化が困難なことにあり、学校支援の必要性は認識されていても、そのシステム開発は途上である。本研究では、この現状を改善し学校評価を有効に機能させるために、学校評価と学校支援を同時並行的に開発してきたニュージーランドを先進モデルとしながら、その効果的な援用を横浜市教育委員会を調査対象としながら日本における学校支援のシステム開発に取り組んできた。 23年度は「支援」についての理論整理を中心に研究を行った。これはふまえ、24年度は第一に先進モデルとしてニュージーランドにおける学校支援モデルの分析を行った。第二に、日本における学校支援実態の把握として横浜市教育委員会による学校支援の実施実態の把握を行った。 最終年度である25年度はニュージーランドモデルの援用を横浜市において行った。具体的には、横浜市教育委員会方面別学校教育事務所での学校支援会議を参与観察を通して、学校評価に連動した学校支援のシステム化をに必要とされる要因分析を行った。
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