研究課題/領域番号 |
23531094
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
大橋 喜美子 神戸女子大学, 文学部, 教授 (10353020)
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研究分担者 |
三宅 茂夫 神戸女子大学, 文学部, 教授 (10369738)
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キーワード | 教育学 / 保育学 / 幼保一体化 |
研究概要 |
以下保育所⇒保、幼稚園⇒幼、保育士幼稚園教諭共に保育者と記した。 【研究の目的】幼保の保育者による保育実践の分析から保育観の検討を行う。【方法と内容】幼保の実践記録映像収録と実践者へのインタビュー調査、保育者による映像視聴と感想を収録、視聴の逐語録から、幼保保育者間の保育観差異を求めた。さらに映像視聴後の結果から得た逐語録を中心に分析を行った。【保育実践記録の手続き】(1)保育実践収録場所と対象クラス:公立幼・公立保の5歳児。(2)保育実践収録日:2013年12月9日、12月12日。(3)保育記録の方法・内容:記録はソニーICD-UX523レコーダー等を使用した。テーマは「冬の自然」を提示し、園の保育展開を尊重して1時間程度の実践記録撮影を依頼。(4)実践者へのインタビュー調査内容、当日の保育のねらい、保育課程、年間指導計画、月間指導計画、週案、日案の位置付、保育者の配慮など。指導案の解読後は、それらを中心にディスカッションを実施した。 【映像視聴に関する手続き】(1)実施日:2013年12月13日。(2)保育観考察の方法:保育実践映像記録園が特定できないように配慮し、関係者以外の保育者に視聴を依頼した。映像による幼保の実践を視聴と並行して保育分析、視聴後に全体的感想、指導案解読と実践の関係について話し合いを求めた。幼保の保育者は、別会場で映像視聴を実施。 【結果・考察・課題】保育内容では、保から幼に対して幼稚園の環境は教材などの整理、幼から保に対しては、環境への工夫について指摘があった。幼保の制度的な環境からの差異もあると感じられた。また、視聴中の幼保の保育者共に、保育者の言葉遣い、教材準備、導入と保育展開、その流れと指導案の関係など、自身の保育を振り返る姿が伺えた。が、着目する視点は同じでも、内容には保育観の差異が感じられ、幼保一体化に向かう場合の相互理解の必要性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
幼稚園、保育所(園)の保育者から得られた保育観について、相互間の意識の差異がみられ、その検討にとどまる傾向にあり、カリキュラム・モデルの構築にまで至っていない。しかし、1年目より現在に至るまでの研究計画は進んでおり、これまでの研究成果を保育学会報告にとどまらず、文章としてまとめることを今年度の課題としていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのデータ整理が必要である。 1.基礎データの整理から見た課題 2.幼稚園、保育所(園)の保育実践からみた保育観を明らかにする。 3.幼稚園、保育所(園)の保育の現場への課題提示 などである。現在までの達成度でも述べたが、これまでの成果を紀要等で明らかにしていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の進行がやや遅れているため、学会、参与観察の旅費などが余剰金となっている。その他、事務費が残金となっている。 基礎データの中で、幼稚園、保育所(園)の環境の相違が要因で、保育者の保育観や意識に差異が出ている点が、共分散構造分析の中で、明らかになっている。 そうしたことから、2014年度は、保育内容に関する調査費、および幼稚園、保育所(園)、認定子ども園などの保育者向けにカリキュラム試案を提案する機会を設けるための費用にあてる。
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