研究課題/領域番号 |
23531097
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
小笠原 文 広島文化学園大学, 学芸学部, 准教授 (10585269)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 触れる絵本 フランス / 幼児教育 フランス / 造形プログラム フランス |
研究概要 |
平成23年度は研究計画調書の記載に基づき、以下の項目を実施した。1)「クラスで絵本を制作する」プロジェクトを実施するための準備段階(前段階)として、広島文化学園大学学芸学部子ども学科1年生・3年生(編入生)を対象に開講される科目「図画工作」の授業内で「触れる絵本」の制作を取り入れ、調書の方法に従い、90分を一回として、全5回の講義・作業を展開した。その過程を写真や映像などで記録し、資料を作成した。2)研究課題名「幼児教育における造形表現プログラムの開発と実践ーフランスにおける事例とその応用ー」について、『子どもの心に語りかける造形表現』(鈴木幹雄/長谷川哲哉(編)あいり出版・2012年3月)の第12章(p152-161)に執筆を行った。出版後、2012年4月に編者、共著者、小学校教員との学習会(神戸大学教育学部)に参加し、幼児・児童を対象とした造形プログラムの検証や考察を行った。3)大学美術教育学会(2011年9月 宮城教育大学)および美術科教育学会(2012年3月 新潟大学教育学部)に参加し、幼児教育における「造形表現プログラム」開発のため、専門家の意見や必要資料などを収集した。4)フランス・ディジョン市にある盲目・弱視児のための絵本を製作・出版する非営利団体『夢見る指先』(Les Doigts qui revent)と継続的に連絡を取り(メール・電話)、「触れる絵本」に関するヨーロッパでの最新情報を得た。5)平成24年度のプロジェクト実施に先立ち、実施施設を選定した。選定した施設、「私立なかよし保育園」を訪問し、施設や子どもたちの実態などを調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)「幼児を対象とした『触れる絵本』を制作する造形プログラム」実施に先立ち、約80名の大学生を対象として『触れる絵本』の制作を行ったことで、多くのサンプルを得ることができた。その結果、プログラムの長所や難点が明らかとなり、平成24年度実施へ向けてより具体的な立案が可能となった。2)研究課題名にも挙げている「幼児教育における造形表現プログラムの開発と実践-フランスにおける事例とその応用-」について、「フランスにおける事例」の部分を執筆という形でまとめ、発表することができた。3)2回の学会参加、1回の学習会参加により、多くの専門家から貴重な意見を得ることができた。資料収集なども順調に進んでいる。4)平成24年度の幼児を対象としたプロジェクト実施施設・日程が決定した。
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今後の研究の推進方策 |
1)24年度前期(4-9月)に私立なかよし保育園の年長組にて調書の研究計画・方法に従い、本プロジェクトを実施する。2)24年度後期(10月-1月)も引き続き私立なかよし保育園にて、幼児教育の専門家、造形(美術)の専門家の観察のもと、前期と同様の内容で実施する。本実践では、学問的検証と評価が中心となり、専門家の参加による指導・助言が必要。助言者の幼児教育の専門家としてフランスの教育学者ミッシェル・ソエタール氏(アンジェ・カトリック大学名誉教授)に依頼中である。3)年度末の3月にフランス・ディジョン市にある盲目・弱視児のための絵本を製作・出版する非営利団体『夢見る指先』(Les Doigts qui revent)が主催するワークショップに参加する。またペリグー市の教育委員会なども視察し、ヨーロッパにおける「造形表現」活動の最新の情報と技術を習得する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)私立なかよし保育園におけるプロジェクトの実施のための材料費(幼児たちの園外活動に関わる費用も含む)・施設への謝礼など2)観察・助言を依頼する専門家への謝礼3)海外調査旅行費およびワークショップの滞在費用
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