研究課題/領域番号 |
23531097
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
小笠原 文 広島文化学園大学, 学芸学部, 准教授 (10585269)
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キーワード | 触れる絵本 / 幼児教育 フランス / 造形教育 フランス |
研究概要 |
平成24年度は研究計画書の記載に基づき、以下の項目を実施した。 1)5歳児を対象とした「クラスで触れる絵本を製作するプロジェクト」を実施するための準備段階として、現職の幼稚園教諭・保育士20名を対象としたワークショップを行い、調書の方法に従い、「触れる絵本」を製作した。(平成24年8月呉市子育て支援プロジェクト)この際、現場で働く教員からの意見や感想などを収集し、それらを反映させた実施計画書を作成した。 2)研究課題名「幼児教育における造形表現プログラムの開発と実践」について、大阪民族博物館の広瀬浩二郎准教授の助言を得て、プログラム作りに反映させた。また、組み木作家である小黒三郎氏が教員時代に制作した「盲目の子どもたちのための組み木を使った教材」についての調査を行った。 3)研究課題名「幼児教育における造形表現プログラムの開発と実践」について、『子ども学論集創刊号』(広島文化学園大学学芸学部子供学科(編)2013年4月30日発行)に「原初的なるものを通して子どもに伝えられるもの~フランスの造形表現教育の実践を例に~」という表題で執筆し、考察を深めた。(55-67頁) 4)フランス・ディジョン市にある盲目・弱視児のための絵本を製作・出版する非営利団体『夢見る指先』(Les Doigts Qui Revent)と継続的に連絡を取り(メール・電話)、「触れる絵本」に関するヨーロッパの最新情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)平成24年度に実践を計画していた私立なかよし保育園で、諸事情による担任の交代などが重なり年長組での年内実施が延期となった。本年度の6月~7月に実施に向けてスケジュールを立て直し、調整した。 2)研究課題名にも挙げている幼児教育における造形表現のプログラム開発と実践‐フランスにおける事例とその応用‐」について、多くの実践例を挙げながら論文にまとめ、発表することができた。 3)指導者の目線での「触れる絵本の製作」のワークショップを行い、参考になる意見を多く収集できた。 4)研究テーマについて、関連する研究者や教諭などとコンタクトを取り、連携を図った。
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今後の研究の推進方策 |
1)24年度前期(4月-9月)に私立なかよし保育園の年長組にて調書の研究計画・方法に従い、本プロジェクトを実施する。 2)その際、大阪民族博物館准教授の広瀬浩二郎氏の協力を得て、「体験型」ワークショップなども取り入れながら行う。 3)24年度後期(10月-1月)も引き続き、幼児教育専門家、造形美術の専門家の観察のもと、前期と同様の内容で実施する。本実践では学問的検証と評価が中心となる。助言者の幼児教育の専門家として、9月に来日予定のフランス人教育学者ミッシェル・ソエタール氏(アンジェ・カトリック大学名誉教授)に依頼中である。 4)9月にフランス・ディジョン市にある盲目・弱視児のための絵本を製作・出版する非営利団体『夢見る指先』(Les Doigts Qui Revent)が主催するワークショップに参加する。教育委員会などの視察を通し、ヨーロッパにおける「造形表現活動」の最新の情報と技術を習得する。 5)大学美術学会で、以上の成果を発表する。 6)広島文化学園大学学芸学部紀要に以上の成果をまとめた論文を投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)私立なかよし保育園におけるプロジェクト実施のための材料費・施設への謝礼など。 2)観察・助言を依頼する専門家への謝礼。 3)国内・海外調査旅行費・滞在費およびワークショップ参加費。
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