保育士のワーク・ライフ・バランス(以下、WLBと略記)の実態と就労継続の諸条件を明らかにするため、文献調査に加えて、複数の保育所保育士および児童養護施設職員に対するインタビュー調査を実施した。 その成果は2つある。第1に保育士のWLB論議が低調であり、その背景には低賃金等の労働問題、非正規職員比率や独身女性比率、離職率の高さ等があることが明らかになった。第2にインタビュー調査を通じてWLBの実態の多様性と同時に、本人の主体的条件、職場の条件、家庭の条件、社会的条件の4つが明らかとなり、とりわけ家庭の条件の有無とその内容が就労継続に強く影響していることが明らかになった。
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