研究課題/領域番号 |
23531109
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福島 朋彦 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60543288)
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研究分担者 |
岩崎 望 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20193724)
山中 亮一 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (50361879)
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キーワード | 英国 / 米国 |
研究概要 |
当初計画では、H23年度に1)今日の海洋問題の整理、2)分野横断的内容と連関性の把握を予定し、H24年度には3)現場体験の有効性に関する検討および4)検討結果の公開、に取り組む予定だった。しかしH23 の積み残しがあったため、H24年度は2), 3)および4)に取り組んだ。 2)の分野横断的内容と連関性に関しては、次のa),b), c)の観点から調査した。a) 国内の学際的教育・研究の取り組み方調査、b) 諸外国の取り組み調査で、およびc) 学際的教育の延長上にある産業界のニーズを検討することである。a)においては、全国で水産・海洋系の学部・学科をもつ31大学を対象に大学が公表した教育目的を整理・分析したところ、95%の大学が横断的教育に取り組んでいた。しかし、認証評価機関に横断的教育が評価されていた大学は83%で、評価される側とする側に差のあることが分かった。b)については、Southampton 大学 を訪問し、英国における伝統的教育体系と学際的教育の関係を調査した。調査の中でEUで実施されているSOCRATES、Marie Curie、SETなどのプロジェクトの情報提供を受けた。またH23に調査した台湾の大学の領域横断的海洋教育に、カナダと豪州の教育動向加えて比較検討した。c)は、学際教育の有効性の把握を産業とのつながりの観点で調査することとした。しかし海洋産業自体が十分に定義されておらず、統計状の課題に直面したので、H24は学際的海洋教育を受けた人材が活躍できる産業の範囲を国際標準産業分類(ISIC)および日本標準産業分類を基礎にして整理した。3)の現場体験の有効性の研究については、東京大学と米国大学の共同セミナーを通じて、異なる文化と言語の学生と現地調査・議論させることで現場体験の有効性を検討した。4)については、公表およびそのための準備を整えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要と一部重複するが、平成23年度に1)今日の海洋問題の整理、2)分野横断的内容と連関性の把握を予定し、平成24年度には3)現場体験の有効性に関する検討、および4)検討結果の公開、に取り組む予定だった。しかし昨年度に積み残しがあったため、本年度は、2)、3)および4)に取り組んだ。 2)については、概ね終了したが、b) 諸外国の取り組み調査に関する現地確認作業を残している。またc) 産業界のニーズに関しては区分した段階に留まっており、本年度は産業界のニーズを調査する予定であることから概ね80%の進捗である。3)については引き続きサマーセミナーに参画しつつ、学生アンケートなどを実施し、現場体験の有効性に関するデータを蓄積させる必要がある。まだ他にも考えうる調査対象があるので、達成状況としては60%である。4)については、査読論文2編、査読なし論文2編、調査研究データのHP公開(東京大学のHPを利用する)、学会発表2件を予定している。多くは原稿が仕上がっているので、達成率としては70%である。また現在出版社との打ち合わせを通じて出版の機会を伺っている。
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今後の研究の推進方策 |
個々の研究課題については当初計画と比して著しい遅れはなく、ある程度計画通りと考えている。しかしながら、個々の調査を総合的にまとめる段になると、研究を進めるうちに新しい事実やより効果的な方策が出てきたため、統合化の方法の再検討を予定している。統合化に関しては、外国の事例を参照、東京大学のHPを用いてデータ公開、有識者との面談などを通じて、様々な分野の意見を吸収しながら検討していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
国外旅費として、カナダ(研究代表者1名)、豪州(研究分担者1名)、国内旅費としては地方で実施する学会参加などを中心に支出する(研究代表者:北海道、宮城県、及び研究分担者:兵庫県、東京など)。アンケートやデータ収集のための調査委託をする(研究代表者)。その他諸雑費として、広報資料の作成、出版諸費用などを支出する。
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