研究課題/領域番号 |
23531109
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福島 朋彦 東京大学, 農学生命科学研究科, 研究員 (60543288)
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研究分担者 |
岩崎 望 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20193724)
山中 亮一 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (50361879)
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キーワード | 人材開発 / 領域横断 / 学際教育 / 海洋教育 |
研究概要 |
海洋問題の解決のために、専門分野を越えた総合的な俯瞰力をもち、問題解決能力を備えた人材が求められている。しかし大学ではそのような専門家の養成が始まったばかりで、大学や専門領域の壁を貫く体系的理解は不十分である。そこで本研究では大学における学際的海洋教育の推進に必要な項目として、海洋問題(教育題材)の列挙、題材ごとの関連性の明示(教育内容)および解決策の類型(一般化)のまとめ、を選定し、海洋教育の取り扱い方を体系的に整理することにした。併せて、アナロジーとして諸外国の事例や小中高等学校と連携を調べ、その有効性の検討を試みた。実際に教育題材の列挙では、関連資料を用いて約1000件の海洋問題を洗い出し、それらを海洋基本法の理念に合わせて、再整理した。これまで、水産や海運など、個々の問題を列挙・整理する試みはあったものの、学際的海洋教育のためのる問題を全体的に扱う例はなく、本研究はその先鞭を果たしたといえる。続いて、問題を分野横断的・統合的に取り組む姿勢を醸成するため、代表的な問題の解決策を連関図によって明示した。ここでは同じ問題についても、複数の教員の視点で複数の連関図を作成し、海洋問題の多様さを強調した。さらに人と海のかかわりを柱にして、海洋問題のパターンの類型化を通じて、前述した1000課題を14の類型にまとめることができた。いずれについても、前例がないので新たな視点の提供という意味で意義深いと考える。さらにアナロジーとして、諸外国における教育推進の方向性と比較し、本研究の独自性を確認するとともに、共通性の存在を確認した。これらの研究に基づき、最終年度には8件の論文発表および3件の学会口頭発表を行い、、研究内容の周知に努めた。論文発表のうち3件はHPにおける発表であるのは、膨大な量の生データを広く公開することができるからである。生データの公開も本研究の大きな成果と考えられる。
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