研究課題/領域番号 |
23531123
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
白鳥 義彦 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (20319213)
|
研究分担者 |
岡山 茂 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10308132)
大前 敦巳 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (50262481)
中村 征樹 大阪大学, 大学教育実践センター, 准教授 (90361667)
藤本 一勇 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70318731)
隠岐 さや香 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60536879)
上垣 豊 龍谷大学, 法学部, 教授 (80183747)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 高等教育 / 日本 / フランス / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本年度は、これまでに得られてきた研究成果を踏まえながら、フランスからクリストフ・シャルル氏(パリ第一大学)、シャルル・スーリエ氏(パリ第八大学)、フレデリック・ネイラ氏を招聘し、シンポジウム「フクシマ以降の大学―日仏大学人の対話の試み」(2012年2月24日(金)、日仏会館1階ホール)、公開研究会「日仏大学改革の比較研究」2012年2月27日(月)、神戸大学)を開催した。本科研メンバーからの報告とともに、フランスからの3名の報告もあり、さらに外部からの参加者も多く得て、充実したシンポジウム、公開研究会となった。2月27日の公開研究会では、全体的な研究枠組みの紹介(白鳥)を行ったのち、歴史的な観点からの戦後のフランスの高等教育の変容についての概観(クリストフ・シャルル「ヨーロッパ=アメリカの観点から見た、1945年以降のフランス大学システムの変容」白鳥訳)を得た上で、本研究を進めていくための主たる軸として設定した(1)「大衆化」と「卓越化」との二律背反の相克、(2)高等教育の「自由化」政策の影響、(3)リベラル・アーツと教養教育に即して言えば、(1)に関わる報告として、シャルル・スリエ「フランスにおける大学大衆化の2つの時期:主体的大学から客体的大学へ?」(大前訳)、(2)および(3)に関わる報告として、フレデリック・ネイラ「大学の職業化の幻想」(岡山訳)、(3)に関わる報告として、上垣豊「教養教育とリベラルアーツのディシプリン」、中村征樹「現代の教養教育のあり方を考える:日本の事例から」が行われた。なおこれらの報告の刊行については、これを実現すべく、現在検討・調整を進めているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はフランスから研究者を3名招聘し、日本およびフランスの高等教育をめぐる諸問題について充実した議論を行うことができた。またそうした議論を通じて、次年度以降さらに進めていくべき研究の方向性についてもより一層明らかとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度得られた研究成果を踏まえつつ、研究全体を進めていく際の軸として設定した(1)「大衆化」と「卓越化」との二律背反の相克、(2)高等教育の「自由化」政策の影響、(3)リベラル・アーツと教養教育、の三つの柱を中心として、さらに研究を進めていく。次年度以降も、フランスから研究者を招聘し、研究の進展や研究交流を図る。また次年度は、フランスで開催される予定の高等教育をめぐる国際シンポジウムに参加して報告を行うことを予定している。
|
次年度の研究費の使用計画 |
今年度は最終的に1万円強の繰越額が生じたが、次年度以降の研究費と合わせて有効に使用すべく繰り越すこととした。次年度も、海外での研究調査やシンポジウムへの出席、国内での研究会、海外からの研究者の招聘等、一定程度の額を旅費に充てる計画である。それ以外の部分の研究費についても、物品費、謝金、その他として、研究の進展のために有効に利用する計画である。
|