研究課題/領域番号 |
23531123
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
白鳥 義彦 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (20319213)
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研究分担者 |
岡山 茂 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10308132)
大前 敦巳 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (50262481)
中村 征樹 大阪大学, 大学教育実践センター, 准教授 (90361667)
藤本 一勇 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70318731)
隠岐 さや香 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60536879)
上垣 豊 龍谷大学, 法学部, 教授 (80183747)
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キーワード | 高等教育 / フランス / 日本 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本年度は、フランスからクリスチャン・ガラン氏(トゥールーズ・ル・ミライユ大学)を招聘し、講演会「学校は実社会に貢献すべきなのか?日本の教育制度に関する考察」(2013年3月2日(土)、日仏会館)、国際シンポジウム「日仏高等教育改革の比較研究(その2)」(2013年3月7日(木)、神戸大学)を開催した。前者では岡山がコメンテーターをつとめ、また後者では本科研メンバーの報告とともに、フランスからのガラン氏の報告もあり、さらに外部からの参加者も多く得て、いずれも充実した講演会、国際シンポジウムとなった。3月7日の国際シンポジウムでは、全体的な研究枠組みの紹介(白鳥)を行ったのち、「国立大学改革/LRU(大学の自由と責任に関わる法律):大学改革はなぜ日本では進行し、フランスでは(まだ)進行しないのか?」(ガラン)、「旧制高校の文化と師範学校の文化―新制大学発足期の教育改革議論をめぐって―」(上垣)、「日本の新構想大学と新自由主義教育改革の起源」(大前)、「大学数の変遷から見た、日仏高等教育改革」(白鳥)の報告が行われた。本研究を進める主たる軸として設定した①「大衆化」と「卓越化」との二律背反の相克、②高等教育の「自由化」政策の影響、③リベラル・アーツと教養教育、に即して言えば、主に、白鳥報告は①に、ガランおよび大前報告は②に、上垣報告は③に関わるものと位置づけられる。また、昨年度日仏会館で開催したシンポジウム「フクシマ以降の大学―日仏大学人の対話の試み」については『科学・社会・人間』2012年3号(通算121号)に、神戸大学での公開研究会「日仏大学改革の比較研究」については『日仏教育学会年報』第18号に、さらに今年度の日仏会館での講演会はすでに『社会学雑誌』第30号に、それぞれ研究成果として公刊しており、今年度の神戸大学での国際シンポジウムも今後公刊の予定で準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度もフランスから研究者を招聘し、日本およびフランスの高等教育をめぐる諸問題について充実した議論を行うことができた。またそうした議論を通じて、次年度以降さらに進めていくべき研究の方向性についてもより一層明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに得られた研究成果を踏まえつつ、研究全体を進めていく際の軸として設定した①「大衆化」と「卓越化」との二律背反の相克、②高等教育の「自由化」政策の影響、③リベラル・アーツと教養教育、の三つの柱を中心として、さらに研究を進めていく。最終年度にあたる次年度は、これまでに招聘した海外研究者の協力を得ながら、本科研メンバーがフランスに赴いてパリおよびトゥールーズにおいてシンポジウムを開催すべく準備を進めている。また、本科研による研究成果の最終報告書を来年度末までに刊行する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の使用計画として、海外でのシンポジウムへの出席や研究調査、国内での研究会、可能であれば海外からの研究者の招聘等、一定程度の額を旅費に充てる計画である。また、研究成果報告書の作成にも研究費を使用する計画である。さらに、それ以外の部分の研究費についても、物品費、謝金、その他として、研究の進展のために有効に利用する計画である。
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