研究課題
本年度は、2013年12月に、研究代表者および研究分担者のうち合計3名がフランスに赴いて、トゥールーズ(トゥールーズ・ル・ミライユ大学、12月11日)およびパリ(高等師範学校、12月13日)において開催された国際シンポジウムに参加し、研究報告を行った。研究成果の公表という面においても、また学術交流の深化という面においても、とても有意義な機会となった。これらの報告の内容は、フランスにて近日中に刊行される予定の著書に収載される予定で、すでに原稿として提出されている。またこのフランス滞在中にはニーム大学を、また2014年2月にはパリ第八大学、パリ政治学院他を訪問し、副学長をはじめとしてインタビュー調査を行う機会も得て、フランスの高等教育の具体的側面をより深く知ることができた。また本年度も、前年度までと同様、研究課題に関わる論文の公刊や学会等での発表も鋭意行った。本研究の目的として、1990年代以降の日本とフランスにおける高等教育改革を、それぞれのシステムの歴史と構造を踏まえながら比較するということを示していたが、こうした問題意識に基づいて、歴史的な視野を有する諸論文を刊行したことも、具体的な研究成果として挙げることができる。さらに、3年間にわたるこれまでの研究成果をふまえ、研究成果報告書(合計253頁)を刊行した。本研究によって得られた成果を通じて、研究を進める主たる軸として設定した、①「大衆化」と「卓越化」との二律背反の相克、②高等教育の「自由化」政策の影響、③リベラル・アーツと教養教育、という分析の視角が、今日の高等教育改革のあり方を考察するに際して重要な意義を有するものであることを明らかにすることができた。また日本とフランスの高等教育の間に、歴史的経緯を踏まえた相違点とともに、共通する要素も多く見出すことができ、両国の間の比較研究を行う意義も明らかにすることができた。
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『神戸大学文学部紀要』
巻: 41 ページ: 143-158
『上越教育大学研究紀要』
巻: 33 ページ: 33-41
http://hdl.handle.net/10513/2315
『日仏教育学会年報』
巻: 19 ページ: 96-104
ISSN 1341-0814