研究課題/領域番号 |
23531130
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
添田 晴雄 大阪市立大学, 文学研究科, 准教授 (30244627)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 教育学 / 比較教育文化 / 音声言語 / 文字言語 / イタリア / スロベニア / 黒板 / 問答 |
研究概要 |
イタリアでは、ミラノのクオコサシ総合制学校において、5年生と7年生の合計7コマの授業を観察し、うち、7年生のイタリア語2コマ分、数学2コマ分の授業をビデオ撮影した。ビデオ撮影をした4コマの担当教員4名にはそれぞれ撮影後に授業についてのインタビューを行った。また、Angelo Salvo校長に対して、授業における音声・文字言語の役割とイタリアの授業文化についてインタビューを行った。 スロベニアでは、リュブリアナのタボル小学校において、1年生、5年生、6年生の合計8コマの授業を観察し、うち、6年生のスロベニア語2コマ分、数学4コマ分の授業をビデオ撮影した。ビデオ撮影をした6コマの担当教員6名にはそれぞれ撮影後に授業についてのインタビューを行った。さらに、ビズマルイェ小学校において、スロベニア語1コマ、数学2コマ分の授業見学およびビデオ撮影を行い、ビデオ撮影をした3コマの担当教員3名にそれぞれ撮影後に授業についてのインタビューを行った。 日本においても小学校5年生の国語と算数の授業をビデオ撮影し、授業担当者にインタビューを行った。 イタリア、スロベニア共に、音声言語のやりとりによる授業展開が多いことが観察できた。国語の中でも文法の授業では黒板をある程度使うことが見受けられたが、音声による問答も同時に行われていた。 詳細な分析は平成24年4~5月に行うが、その分析結果を踏まえ、6月の日本比較教育学会大会で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イタリア、スロベニアにおいて当初の予定通り授業のビデオ撮影ができ、授業担当教員への面接調査も無事終了した。日本については、小学校5年生の国語と算数についての授業のビデオ撮影ができている。分析結果は6月に行われる日本比較教育学会大会で発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
(平成24年度) 日本の小学校5年生と中学校2年生のそれぞれ6クラスずつビデオ撮影を行い、授業担当者の聞き取り調査を行う。アメリカのイリノイ州で、6クラスの国語の授業のビデオ撮影を行い、聞き取り調査を行う。ビデオ分析、聞き取り調査についても平成23年度と同様に分析を行う。 6月に行われる日本比較教育学会大会で平成23年度分の調査分析の成果を報告する。(平成25年度) アメリカのヴァーモント州で、6クラスずつの国語の授業のビデオ撮影を行い、聞き取り調査を行う。ビデオ分析、聞き取り調査についても平成23年度と同様に分析を行う。4か国のビデオ分析と聞き取り調査を踏まえ、学習教授メディアとしての文字言語・音声言語からみた日本の教育文化の特質を明らかにする。また、音声言語を中心とした授業展開が日常化している3国の教員への聞き取り調査から、日本の音声言語指導に資する知見を見出す。 以上で得られた知見をもとに、日本比較教育学会等で研究発表するとともに、成果をインターネットで公開する。
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次年度の研究費の使用計画 |
発表用・授業分析用のプロジェクタを平成23年度に購入する予定であったが、残高が購入金額に満たない可能性があっため、残高を平成24年度に繰り越し、平成24年4月上旬に該当機器を購入する。購入時期が1か月遅れることになるが研究計画には支障がない。
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