日本の授業では、音声言語とともに、文字言語も頻繁に用いられており、黒板が重要な授業コミュニケーションのツールとなっていた。イタリア、スロベニアでは、文法の授業を除けばアメリカ以上に音声言語のやりとりによる授業展開が多い。アメリカの授業では教師と生徒がほぼ1対1でやりとりをすることがほとんどであるが、イタリアとスロベニアはそれに加えて、教師の発言に対して複数の生徒が同時に反応するというコミュニケーションパタンが多く見られ、教師が質問し生徒がそれに答えるといった枠組みではなく、生徒自身が音声言語で理解の内容を表現する、それを教師が支援するといった枠組みでとらえるのが適切であるとの知見をえた。
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