(1)若者が社会的、経済的な自己発達をとげ成人へと移行するには、継続的な就業は重要な要件であるが、多数の若者が不安定な就業状況にある。長期的な若年労働市場の縮小が主たる理由であるが、高等教育を含む学校教育で自分の進路に確かな方向性を築けないまま、社会に排出されている状況を見逃しえない。 (2)文部科学省は若者に人間性の発達、適切な進路観の形成を目的にキャリア教育の政策的推進に取り組んでいるが、その実情は就職指導に傾倒している。学校教育は、キャリア教育の本来的な目的を再考し、若年者に適切な進路観・認識を養うとともに、他の教育・訓練機関も継続的なキャリア教育を若者に提供するシステム構築が急がれる。
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