本研究は、1950から1960年代にかけてのアメリカの対ラテンアメリカ教育開発政策により、今日に至る国際教育開発が形成され、それは主に冷戦を背景にしたラテンアメリカ情勢およびアメリカの外交戦略と密接に結びついたものであったことを指摘した。同地への開発援助は単なる技術援助から「社会開発」へと変化する。その完成形「進歩のための同盟」はケネディ大統領のブレーンであった近代化論者の発展段階論が適用された壮大な実験的試みであり、教育はその重要な柱であった。ジョンソン大統領は「偉大な社会」のビジョンの元「同盟」の活性化、国際教育の展開を目指したが、教育を近代化の実質的な主動因にするまでには至らなかった。
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