「あすと長町仮設住宅」で毎月「おしるこ通信」を発行(全12回)したり、仮設住宅集会所でコミュニケーション型のワークショップ(おしるこカフェ)を月に1回(全12回)宮城県や仙台市、民間のNPO等と連携、協働し開催した。また10月には仮設住民と長町の駅前広場や駅前商店街、行政等が連動した市民参加型の芸術文化事業(のべ500人参加)を行い、仮設住民の陶芸サークル主導で陶芸作品の展示や販売の場も設けることができ、被災住民からも感謝された。仮設住宅で「希望」をテーマとしたアートプロブラムを継続的に展開することにより仮の住まいではあるが食やアート活動を通してコミュニティの再生につなげる活動となったと考える。無機質な仮設住宅にアートが入ることにより生活に楽しさや明るさが生まれ、住民同士の会話が増えたり、復興地でのボランティアツアーが仮設住宅を訪問した際もアートによる仮設壁面や設置されているアートみこしを住民自らが説明しているとの報告も受け、住民にアートが受け入れられていると確信できた。復興公営住宅への引っ越しも増える中、新たな環境での不安もあるようで住民からのおしるこカフェなどの継続実施の要望が多数あった。さらに「あすと長町ではこれまで孤独死はゼロであった」との元自治会長飯塚氏のコメントがあるようにこれまでの活動がこのような大きな成果の一助になったと考える。成果物としてこれまでの「おしるこカフェ」の記録本も制作した。復興支援を行う他地域での参考にしてもらったり、復興支援リーダーの人材育成にもつながればと考えている。「芸術表現におけるプロジェクトワークの実践研究」のアーカイブ事業は国内だけでなく、ハーバード大学ライシャワー日本研究所との連携も始まり、実践報告は2015年3月仙台で開催された第3回国連防災世界会議の際、仙台市との協働事業として実施した。
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