研究課題/領域番号 |
23531158
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
上里 京子 群馬大学, 教育学部, 教授 (80202448)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
キーワード | フランスの教育課程 / キャリア準備教育 / 職業生活教育 |
研究概要 |
若者の職業意識の希薄化と職業能力の低下、フリーターの増加などの就業・職業生活問題に対して、その解決と予防教育を実践しているフランスの「社会・職業生活」科の最新カリキュラムを分析した。 リセにおける「社会・職業生活」科は、2009年2月に「予防・健康・環境」科と改定された。このプログラム(学習指導要領)の序文において、予防・健康・環境教育は、特に、科学的な教養の獲得をはじめとする知識と能力の共通基盤の獲得を重視すること、健康、労働、環境の分野において国家および欧州計画によって定められた優先的な教育活動と予防活動に十分に寄与すること、生涯にわたる職業教育の一環として、非常に多様な公衆を対象とすることが明示されている。また、予防・健康・環境教育の目的は、個人および集団的予防の主導者を、次の事柄の獲得によって育成することとしている。(1)予防・健康・環境の枠内の知識、(2)自分の健康と環境に対して責任ある行動、(3)自分と他者を尊重し、社会生活を成功させることができる社会および市民の能力、(4)批判的精神を発達させることを目ざす科学技術の教養、(5)分析過程と問題解決の過程を統合する方法論 この教科の職業生活に関する教育内容は、職業における危険の予防、企業における予防に関する規則と枠組み、職業上の危険と予防の病態生理的影響、危険によるアプローチ(精神的負担による病態生理的影響、精神的負担に関連した危険の予防)、事故によるアプローチ(予防の過程で職業部門の事故分析を活用)から構成されている。 以上にみられるカリキュラムの特徴は、職業生活に必要な現実的で、実践的な科学的知識を、問題発生の予防と問題解決に活かせるようにプロジェクトとして系統的に配列している点である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究計画に沿い、遂行できた。特に、フランスの「社会・職業生活」科の新学習指導要領(2009年以降漸次発行)や教科課程に関する文献・資料をし、新プログラムの一部を分析した。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究を推進するために、資料調査と収集、研究助言者との討論等を活発に行う予定である。また、研究成果を国内外の学会等において発表し、より多くの助言を生かしながら研究を推進する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、研究課題を追究するために指導書や教科書類を前年度に続き収集し、それらにおける職業生活教育の科学的概念の特徴について、研究助言者との討論等を通して分析する。そのために、国内と海外の調査研究旅費を活用する。 平成23年度に繰越金が生じた理由は、発注した文献の品切れ等によるものであったので、在庫状況を確認する時間を十分にとった上で、引き続き文献の収集にあたる。
|