本研究は、科学的な思考力の育成を図るため、科学的な思考力を深める要件、思考のための枠組みや技能、必要な方略を明示した新たな実践的な教授・学習方法を構築し、その効果を検証した上で、広く社会に提供していくことを目的としている。 平成26年度は、研究者と小中学校の教師でプロジェクト会議を開きながら、これまで開発してきた科学的な思考力の育成を促す教授・学習方法の再構築を図った。その一つは、批判的に思考する際に適用される構成要素を小グループ内に役割として分散・外化し、議論させることで、批判的思考力の育成を図る教授・学習方法の構築を行った。二つ目は、論理的に説明できる力を育成するため、仮説を立てたり考察したりする際に、論理的に説明するために必要な要素の入った記述の仕方を理解させる教授・学習方法の構築を行った。三つ目は、学習者の思考を促すための現象を可視化や外的資源の活用を促す教授・学習方法の構築を行った。そのうえで、開発した事例研究の成果を公開し、教師教育への適用を図った。
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