研究課題/領域番号 |
23531160
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90302504)
|
研究分担者 |
坪田 益美 東北学院大学, 教養学部, 講師 (20616495)
宮崎 沙織 群馬大学, 教育学部, 講師 (90591470)
|
キーワード | 多文化教育 / 歴史教育 / 公民教育 / 環境教育 / シティズンシップ教育 / 教員養成 / 教師教育 |
研究概要 |
本年度は,主にアメリカ・インディアナ州ココモにおける公立中学校社会科授業及び教師教育についての現地調査を行った。社会科授業を参観し,教師へのインタビューを通して,教員免許・資格の取得及び研修のあり方について調査した。 現在,アメリカでは,グローバル社会における能力の育成が注目され,国際バカロレア認定校が増えつつある。今回は,国際バカロレア認定を受けたばかりのインディアナ州の中学校を調査した。当該中学校の教師は,州の教員免許資格取得の上,国際バカロレア教員資格を取得することが求められる。加えて,資格の維持のため,3ケ月の一回程度の研修が義務付けられている。国際バカロレアでは,多様な属性を持った人々が混交した状態での教育を全体としており,多文化教育を志向しているといえる。教師に課せられる資格取得プログラムや研修でも,多文化への対応や,子どもが多文化を肯定的に受容し,積極的に活用していく認識や能力・態度を身に着けていくための教育方法について学べるカリキュラムとなっている。 また,当該中学校から多くの生徒が進学するココモの公立高等学校の教師にインタビュー調査を行った。当該高等学校は,国際バカロレア認定の中学校からの進学者を受け入れるために,国際バカロレアコースを新設している。国際バカロレアコース担当教員は,中学校教員と同様,厳しい資格取得と研修が課せられている。同時に,高等学校教員は,中学校教員との連携にも力を入れている。異なる学校種を繋ぐ能力と技能が求められることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にそって,アメリカにおける多文化教育についての現地調査を行い,多文化教師教育に基づいた授業実践を分析した。教師のインタビューから,多文化教育の授業実践と教員研修の関係性について検討した。分析の視点として,「多様性」と「公共性」の両者のバランスがどのように図られているかに焦点を当てた。これは,当該年度の研究計画で設定した分析視点であり,研究計画に従って概ね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は,本課題の終了年度に当たるため,これまでの研究成果のまとめと公表を行う。また,研究成果をまとめるにあたっては,アメリカ・カナダにおける補充調査を行い,研究成果に対してレビューをうける。 研究成果の公表については,国内の関連学会・研究会及び国際学会での発表を予定している。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究費は,主に研究成果をまとめるための文献購入,会議費,補充調査と研究成果の公表のための学会参加(国内学会・国際学会)に関する旅費及び,英語論文作成のための経費などに使用する。
|