本研究は、戦前の師範学校において美術教育家を中心に有為な人物を数多く育てた図画教育家・赤津隆助研究により、今日の教員養成において見直すべき点を追究しようとしたものである。 研究は、文献収集を基に進めた。先ず、赤津における教育思想形成に着目し、教育者・赤津が形成されていく過程を明らかにした。次に、彼が東京府青山師範学校を中心にして、生徒をどのように育てたのかを調べた。その結果、「赤津は、幅広い人格育成のために、『師の姿勢から感じ取らせるという方法』をとった」ことが明らかになった。このように教育的影響力を明確化したことは、今日の教員養成に対し示唆を与えたと言え、本研究の成果である。
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