①中等課程(IBMYP)を中心に国際バカロレア(IB)の概略について主にIBO(国際バカロレア機構)発行の公式ガイド等を中心に文献調査及びIB認定校の美術科教師等からインタビューを行うなどして実地調査した。IBの理念,求める学習者像を中心に,多文化理解,コミュニケーションの重視,ホリスティックな学びを相互作用のエリアを通して行うMYPのプログラムの特色を調査し,その内容を我が国の美術教育界に発表することができた。さらに25年度はMYPの改訂について調査し,MYPの最新事情,美術科の新たなねらいや目標を紹介した。②IBMYP及び大学入学資格課程(DP)で使用される学習進歩ワークブック(Developmental workbook=DWB)及び研究ワークブック(Investigation workbooks=IWB)について調査をした。制作した生徒及び教師にインタビューし,その活用法について資料を直接収集することができた。③ワークブックが我が国の美術教育にどのような効果があるのか,その可能性について調査した。発想構想面を重視している現在の美術教育について制作の途中段階を記録し生徒の発想や思考,振り返りを記録していくワークブックは我が国の美術教育にも活用できることが附属中学校との共同研究で確認された。④美術館や博物館で行われる教育についてIBの視点から調査した。IBでは学校内にとどまらず教室の内外で探究的な学習をすることが述べられている。本研究では美術館や博物館で行われている鑑賞プログラムやワークショップについてIBの視点から調査をし,美術館等で行われる美術教育もIBの考え方と通じることが分かった。⑤初等過程(PYP),DPについても調査し,PYPでは探究的な学びで,DPでは専門的な学びで美術教育が行われていることが現地調査により確認された。結果は報告書を作成し配布した。
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