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2016 年度 実績報告書

鑑賞教育における図像学的読解メソッドの研究

研究課題

研究課題/領域番号 23531179
研究機関信州大学

研究代表者

岡田 匡史  信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (30194369)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2017-03-31
キーワード鑑賞教育 / 読解的鑑賞 / カラヴァッジョ / 聖マタイの召命 / 自由解釈 / レンブラント / 夜警 / 集団肖像画
研究実績の概要

現行『小・中学習指導要領』の全教科的な重点課題の1つ,読解力育成に美術教育の立場から着目し,特に「絵を読む活動」の学習的可能性の検討,絵の解読ツールとしての図像学とそれと相補的関係にあるテキストの精査,4段階鑑賞法(E.B.フェルドマンが提起)を参照しての鑑賞指導メソッド及びプログラム(授業計画)の開発,そして,鑑賞指導案作成と検証授業を,計6年間掛け段階的(時に併走的)に積み上げ,各年度,研究成果を論文化し,派生的諸課題を口頭発表してきた。
最終年度となる28年度も,26・27年度を継承して「鑑賞題材開発」を柱とし,検証授業(信州大学教育学部附属松本中学校/対象:3年生)を中心に研究の総括に取り組んだ。
27年度2月に実施機会を得た,カラヴァッジョ「聖マタイの召命」の多角的読解案の検証授業の成果を,同作品を扱う先行鑑賞授業例(吉川登・楳木千佳による)を参照しつつ検討し,ワークシート記述内容を判断根拠とすることで,観察・自由解釈・情報提供(知識補填)等の緊密な連携の意義,自説と他説の両立の可能性,読解面・文化理解面等と係る新情報(絵の背景や文化・歴史的事項等)への生徒達の柔軟な学習姿勢等が明確となった。本研究は論文化し,『美術教育学(美術科教育学会誌)』第38号に投稿し,査読を経,修正要請に対応して後,掲載となった。
また,27年度,パリ同時多発テロ事件が起き実施を見合わせた,パリ/ベルギー諸地域/アムステルダムでの鑑賞候補作品リサーチを一部復活させる形で,アムステルダム国立美術館蔵のレンブラント「夜警」を集中的に現地確認し,この体験を基に,「聖マタイの召命」の上記読解的鑑賞を発展させた,「夜警」を主対象とするが関連諸作との比較も行う,オランダ17世紀集団肖像画を読解する鑑賞題材プラン(12段階鑑賞法)を第55回大学美術教育学会(北海道大会)で発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] カラヴァッジョ「聖マタイの召命(1599-1600年)」を学習材として使う読解主軸の鑑賞授業の考察―授業検証を通じた観察,自由解釈,情報提供(知識補填),ロールプレイ等の分析を中心に―2017

    • 著者名/発表者名
      岡田匡史
    • 雑誌名

      美術教育学(美術科教育学会誌)

      巻: 第38号 ページ: 151~165

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] レンブラント「夜警(1642年)」の鑑賞題材化の試み―集団肖像画の読解的鑑賞(物語を感じ取り想像し読む)―2016

    • 著者名/発表者名
      岡田匡史
    • 学会等名
      第55回大学美術教育学会(北海道大会)
    • 発表場所
      北海道教育大学札幌校
    • 年月日
      2016-09-25

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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