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2011 年度 実施状況報告書

ドイツの音楽科における思考・判断能力の育成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23531181
研究機関信州大学

研究代表者

中島 卓郎  信州大学, 教育学部, 教授 (20293491)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードドイツ / 音楽 / カリキュラム / 思考・判断能力
研究概要

ドイツは16州から成る連邦国家であり、学習指導要領は、各州の州教育研究所が中心となり、州ごとに作成されている。本年度は現行のノルトライン・ヴェストファーレン州の教育大綱、バーデンヴュルテンブルク州の教育プラン、およびベルリン州の教育大綱について、指導内容とその発展性に着目して整理を行った。 対象としたカリキュラムでは、活動領域に「音楽について省察すること」「音楽について熟考すること」等が設けられている。そこでは、人間あるいは自己にとっての音楽の存在意義、生活における音楽、歴史的な文化遺産としての音楽などについての思考が求められ、自己認知および他者認知が促進されている。 我が国の音楽科の活動領域は「表現」と「観賞」の2領域のみであり、小学校から高等学校まで一貫して音楽の活動が中心となっていることに対し、ドイツではそれらに加え、更に大きな視座から音楽について捉えることをねらいとし、音楽的陶冶を目指しているのである。 また、カリキュラム構築の際の到達目標について明らかにするために、ドイツの最大の特徴となっているアビトゥア(音楽/大学入学資格試験)の問題作成におけるドイツ国家基準について詳細に調査した。そして、実際の過去の問題についてバーデンヴュルテンブルク州を例に、その内容について整理した。 このようなシステムが、カリキュラムの内容と発展性に具体性を持たせ、学年ごとの到達段階が明確となっていることは明らかである。このことは、我が国と大きく異なる点である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度は所属大学の教育学部入試部長および芸術教育専攻主任としての業務のため、ドイツでの授業視察のための連続した出張期間が1年を通して全く取れなかった。故に、文献、インターネットでの調査研究を中心としたものとなった。今年度は、2回にわたりドイツ渡航による調査研究を行い、今回の遅れを取り戻す予定である。

今後の研究の推進方策

本年は5月と12月にドイツ・ベルリン州のDroste - Hülshoff - Schule の音楽重点コースの卒業試験(音楽)および普通クラスの授業における視察を予定している。活動領域の1つである「音楽について思考すること」の授業の内容と方法について実態を踏まえた調査を行うこととなる。同校の音楽教師および同州のナショナルカリキュラム作成協力者のO.Kraemer教授から多くの情報収集も期待できる。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は学部運営業務が重なり実施できなかったドイツ出張分の旅費を繰り越している。平成24年度には2回のドイツへの渡航による調査、学会発表での出張費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 音楽科カリキュラムと授業実践の国際比較2012

    • 著者名/発表者名
      中島卓郎 他
    • 総ページ数
      191
    • 出版者
      音楽之友社

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公開日: 2013-07-10  

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