本研究の目的は、フランスの初等教員採用試験要項と初等教員採用試験年度報告書を対象として将来の初等教員に求められる音楽能力の基準について考察すること、そしてIUFMにおける音楽教育の実態調査を行うことである。 初等教員採用試験では、受験者の授業観に基づいた音楽技能(演奏表現力、聴取力)と知識・教養が評価される。パリ・アカデミーに所属するIUFMの音楽教育プログラムの特徴として、初等学校の協力によるAPP(教職実践演習)の運営方法、児童・生徒を対象とした公的事業の活用、教員採用試験対策の充実が挙げられる。
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