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2012 年度 実施状況報告書

鑑賞の授業における構造主義モデルの再吟味と社会文化論的アプローチによる再構築

研究課題

研究課題/領域番号 23531197
研究機関岡山大学

研究代表者

小川 容子  岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20283963)

研究分担者 安達 真由美  北海道大学, 文学研究科, 教授 (30301823)
キーワード授業モデル / 鑑賞リテラシー力 / 創作リテラシー力 / 構造主義モデル
研究概要

平成24年度は,前年度に引き続き「音楽鑑賞リテラシー力向上のための教授方略」の開発段階と位置づけた。具体的には(1)研究代表者の異動に伴い,新しく岡山大学附属小学校との連携体制を構築し,検証授業がスムーズにおこなえるための土台づくりをおこなった。併せて(2)具体的な授業モデルづくりのための実証的な授業研究は,鳥取大学附属小学校及び鳥取市内の調査対象校で継続して実施した。さらに(3)B. Reimerが牽引したシルバーバーデッド社の音楽教科書の分析をはじめ,合科カリキュラム,総合学習など,構造主義モデルに関連する国内外のさまざまな資料収集は継続しておこなった。鳥取での授業モデルづくりに関しては,複数のVTRとDAT及びMDレコーダーを使用して,子どもたちの活動の様子を映像及び声データとして収集し,子ども⇔教師のやりとりを中心に分析をおこなった。その結果,授業の開始直後に毎回取り入れている10分程度の鑑賞活動を繰り返す中で,子どもたちの音楽鑑賞リテラシー力の着実な向上を確認することができた。また,新規の調査対象校として協力いただいた岡山大学附属小学校では,試験的に現代音楽の作品を扱った実証的な授業を実施し,学級全体としての「学びの深化」をテーマに,大学教員と小学校教員が恊働で授業づくりをおこなった。これまでに試行してきた教授方略を用いることで,現代音楽の作品であっても,モチーフやテーマの繰り返し・発展・変化等に対応できることが確認でき,また,子どもたちの鑑賞リテラシー力を創作リテラシー力へとつなげることへの提案もおこなった。この鑑賞⇔創作の教授方略の有効性については,さらに協議を重ねて,より包括的なカリキュラムとして提案できるよう検討を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者の異動により,もともと協力を要請していた調査対象校(鳥取大学附属小学校及び鳥取市内の公立小学校)での検証授業がなかなか進まず,また,新規に協力を要請した調査対象校(岡山大学附属小学校)との協力体制の構築までに予想以上の時間がかかった(現在は,新旧の調査対象校のいずれとも連携がスムーズに進んでいる)。あわせて,当初予定していた双方向型のIT端末機器の開発についても,協力者である国内の研究者の異動(海外支局への転勤)により,打ち合わせ段階でストップしている。

今後の研究の推進方策

(1)授業実践者(大学附属校及び公立校の教員)と研究者(大学教員),研究協力者等との連携を一層深めながら,理想的な授業モデルの提案のための検証授業を重ねる。あわせて音楽鑑賞リテラシー力と創作リテラシー力の向上を支援する新音源・新教材の作成・改良をおこなう。双方向型のIT端末機器の開発については,改めて開発担当者に協力を要請し,準備が整い次第着手する。
(2)音楽教科書の内容分析の結果を踏まえて,芸術関連教科を統合的に学習させるための体系的なカリキュラムを提案し,授業モデルの中に組み込む。

次年度の研究費の使用計画

(1)検証授業の複数回の実施と,新音源・新教材の作成・改良のための国内外の研究者たちとのうちあわせ旅費
(2)双方向型のIT端末機器の開発経費・謝金

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 他者との「共有」による音楽鑑賞の熟達化-小学校高学年児童における調査を中心に-

    • 著者名/発表者名
      仙田真帆・小川容子
    • 学会等名
      日本音楽教育学会第43回大会
    • 発表場所
      東京音楽大学

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公開日: 2014-07-24  

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