研究課題/領域番号 |
23531199
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
加藤 寿朗 島根大学, 教育学部, 教授 (30274301)
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研究分担者 |
梅津 正美 鳴門教育大学, 学校教育研究科, 教授 (60284329)
前田 健一 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90101451)
新見 直子 広島文教女子大学, 人間科学部, 講師 (40584280)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 社会科教育 / 社会認識 / 小・中学生 / 社会的思考力・判断力 / 発達 / 社会科授業モデル |
研究概要 |
本研究の目的は,小・中学生の社会的思考力・判断力の発達に関する実証的データの収集と発達に基づく小・中学校社会科授業モデルを開発することにある。具体的には,以下の3点を研究目的として設定した。1.小・中学生の社会的思考力・判断力の発達に関する量的・質的調査を行い,発達の様相を明らかにすること。2.子どもの社会的思考力・判断力の発達を促進(形成)する条件及び指導方略について実験的な授業を通して明らかにすること。3.研究の1と2の成果をふまえながら,発達に焦点をあてた社会認識形成の基礎理論を検討し,子どもの社会的思考力・判断力を促進する小・中学校社会科授業モデルを開発すること。 本年度は上記研究目的のうち,特に1に対応した研究を進めた。具体的には以下のような研究を行った。(1)中学生の社会的思考力・判断力の発達を把握するための調査の結果を,これまでの調査研究の成果と比較しながら分析し,発達の内的過程とその傾向について検討した。(2)中学生の社会的思考力・判断力の発達に関する研究成果を学会で公表し,意見を踏まえながら発達に焦点をあてた社会認識形成の基礎理論について検討した。 これらの研究の結果,中学生の社会的思考力・判断力の発達的特徴として次の3点が指摘された。一点目は,中学生の思考力・判断力は,学年進行に伴って高くなることである。二点目は,中学生の思考力・判断力は,特に2年生から3年生にかけて伸長する傾向が見られることである。三点目は,同じ到達基準でも分野によって到達している人数に違いが見られることである。以上の結果は,中学生の社会認識発達の連続性(学年進行に伴う思考力・判断力のレベルが上昇)と不連続性(能力が著しく伸長する時期の存在や分野による特殊性)という特徴を示唆しており,青年期の社会認識発達には量的増加と共に質的に異なった段階(質的な転換)が想定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究実績の概要】で述べたように,本年度は社会的思考力・判断力の発達に関する調査研究を中心に行った。その中で,中学生の社会的思考力・判断力の発達に関する調査データを量的・質的に分析しながら発達の様相について検討することについては,学会等での成果発表を含めて当初の予定より早く進められている。一方,小学生の社会的思考力・判断力の発達に関する量的・質的調査の実施については次年度以降の課題として残された。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究の進捗状況を踏まえて次年度以降は次の4点の研究を中心に行う。(1)社会認識発達とその形成を扱った国内外の著書・論文・資料を収集・分析し,調査方法を検討すること。(2)中学生の社会的思考力・判断力の発達を把握するための調査結果を多角的に分析(横断調査と縦断調査結果の比較,学校間比較等)しながら発達の内的過程とその傾向を総合的に検討すること。(3)小学生の社会的思考力・判断力の発達に関する量的・質的調査を実施し,その分析を行うこと。(4)小・中学生の社会的思考力・判断力の発達に関する研究成果を学会で公表し,意見を踏まえながら発達に焦点をあてた社会認識形成の基礎理論について検討すること。 小・中学校社会科の教育内容に即した形で発達的データを収集すること,また分析にあたっては心理学的手法を用いることから,研究代表者と研究分担者のより緊密な共同研究体制を構築し,調査計画・実施・分析という一連の研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の研究計画では,小学生の社会的思考力・判断力の発達に関する量的・質的調査(横断的調査の調査計画の立案,調査校の決定,調査校へ研究協力の依頼,予備調査の実施と結果分析,本調査の実施)を研究1年目に予定していた。しかし,中学生の社会的思考力・判断力の発達相の検討結果を踏まえて小学校での調査内容と方法を確定する方が望ましいと判断した。そこで,小学生を対象とする調査の実施は次年度以降の課題とし,調査の実施とその分析に関わる予算を繰り越した。以上の研究の進捗状況を踏まえて次年度の研究費は主として次の3点を中心に使用する予定である。 一点目は,社会認識発達とその形成を扱った国内外の著書・論文・資料を収集するための物品費と資料収集旅費である。二点目は,中学生の社会的思考力・判断力の発達について多角的・総合的に分析・検討するための研究打合せ旅費,及び成果発表に関わる旅費である。三点目は,小学生の社会的思考力・判断力の発達に関する量的・質的調査(含む予備調査)の実施に関わる研究打合せ旅費と調査実施及びデータ分析に関わる物品費である。
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