研究課題/領域番号 |
23531203
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
伊藤 陽介 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (90249855)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 地球観測 / 技術教育 / 人工衛星 / 宇宙 |
研究概要 |
砂漠化や森林破壊などの広域的な環境変化、火山活動や地震による地殻変動などの地球環境の状態は、宇宙からの全球的な観測によりその全容が明らかにされつつある。本研究課題では、地球観測技術の仕組みを理解しつつ地球環境問題を科学技術的な側面から考察できる人材の育成をねらいとし、中学生以上を対象として教育実践可能な「宇宙からの地球観測技術教育プログラム」の構築と検証・評価を目的とする。 平成23年度は、これまでの地球観測技術の教育利用とその研究成果を省察するとともに地球環境問題を取り上げた教育に関する文献調査を行った。中学校を訪問し地球環境問題を取り上げた教育実践事例、地球観測技術の教育利用例などについて聞き取り調査を行い、学校に導入されている教育用コンピュータシステムの現況を調査した。これらの結果を参考として研究開発する教育用ソフトウェア環境の仕様を定めた。地球環境問題と宇宙からの地球観測技術教育に関する学校教員に対する意識調査を行った結果から具体的な学習指導内容と時間数を定め「宇宙からの地球観測技術教育プログラム」を構築した。本教育プログラムの教育実践に必要とされる教材・教具のうち、人工衛星による地球観測をリアルタイムで体感できる学習支援機器である電波観測教材を開発・製作した。本教材を用いて電波観測を行う研究授業を中学校において実践し、教育利用できることを確認した。教育用ソフトウェア環境は、地球観測技術を視覚的かつ直感的に分かりやすく実習できる点を重視し研究開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的を達成するために立案した平成23年度の研究実施計画が妥当であったため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに研究開発した学習支援機器を用いて地球観測用電波等の観測実験を行い、アンテナの形状を学習者が製作しやすいように設計するとともに、学習者が地球観測技術を体感できるような伝達方法を研究する。「宇宙からの地球観測技術教育プログラム」の詳細な学習指導計画を立案するとともに、教示用資料と学習ワークシートなどを開発する。本プログラムに従った教育を中学校において実践し、教育実践の前後で地球環境問題と地球観測技術関する学習者に対する意識調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費のうち物品費は人工衛星による地球観測をリアルタイムで体感できる学習支援機器の実験に基づく改良とアンテナの設計製作用に当てる。物品費を除く研究費は、国内外学会などにおける研究成果の公表のための旅費、研究補助等のための謝金、教育用ソフトウェアの開発費に当てる。
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