研究課題/領域番号 |
23531205
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
日野 陽子 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90269928)
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研究分担者 |
塩瀬 隆之 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90332759)
横田 真 京都大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (90643643)
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キーワード | 音声ガイドシステム / 視覚障碍者 / 鑑賞 / アンドロイド型スマートフォン |
研究概要 |
平成25年度は、平成24年度に開発した音声情報作成システムをベースにして、視覚障碍者にとってより使い易く、且つ、専門家でなくても簡単に音声情報アプリを作成できるよう、改良を行った。主たる改良ポイントは以下の通りである。 ・ボタンキー付きスマートフォンへの最適化:視覚障碍者が使い易くなるように、生成されるアプリがボタンキーのついているAndroidスマートフォンであるINFOBAR C01で安定して動作するよう、システムの改良を行った。当スマートフォンを利用すれば、アプリを起動した後はボタン操作のみで、該当の案内の再生、次の事項の再生、一時停止・開始、データ更新が可能である。無論、ボタンキーが無いスマートフォンでもタッチ画面操作で同様のことができる。 ・オフライン対応:音声情報を全てスマートフォンに取り込む方式とし、美術館等WiFiが整備されていないオフライン環境下でも音声情報が再生できるようにした。 ・データ番号構造の修正:1から999までの数字に応じたデータベースが作成され、順に再生できるようデータベース構造を変更した。(平成24年度開発システムでは10番、100番等0が含まれた番号は設定できなかった。) ・音声ファイルの取り込み:別途作成した音声ファイルをアプリの中に取り込めるようにした。これにより、合成音声だけでなく、人による録音音声も本アプリで再生できるようになった。 ・アプリの自動再生:必要に応じて複数の音声情報提供アプリを自動生成できるように作成システムを変更した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
横田により、音声ガイドのシステム開発に関しては、機能面、使用面共に前年度と比較して極めて前進しているが、鑑賞をより豊かにするテキスト開発とそのシステムへの導入に関しては平成25年度には進展させられなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に改良したシステムを用い、細見美術館の協力の下、平成26年3月より開催される「麗しき日本の美ー宴の華、もてなしの心」展において合成音声による音声案内アプリを試作。同年5月に一般来場者向けの試験提供を実施する。この使用状況およびアンケート結果に基づき、平成27年1月に同美術館で予定されている館蔵品展のテキスト開発を行う。視覚障碍者モニタに確認しながら、作品に関する基本的な視覚的・知識的情報をまとめた後は、どうすれば視覚障碍者が個人と作品の関係をつくり、鑑賞を楽しむことができるか、に焦点を当てて工夫したテキスト作成に臨みたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度までで行った音声情報アプリのシステム開発により、ミュージアムで使用可能な音声ガイドシステムの基盤ができたことになる。今後、この基盤の上に、協力美術館の館蔵品(展)を対象にしたテキストのつくりこみー解説的なガイドだけでなく、個人的に鑑賞を楽しめるような展開を目指してーを行い、継続利用に繋げてもらいたいと考える。 システムの、より安定した工夫と開発。 音声ガイドの利用案内シートの作成。 視覚障碍者のモニターへの謝金。等
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