本研究の最終目的は,英語学習意欲についての実践的価値の高い知見を生み出し,教職課程および現職教員研修などにおいて用いる教師教育用資料と関連活動を開発することにある。この目的を達成するために平成25年度(最終年度)は次のように研究を進めた。(1) 動機づけ,教師教育,英語教育全般関する文献研究を通して,これらのテーマに関する最新の動向について理解を深めた。(2) 約250名の高校生(2校)から学習意欲エピソードデータを新たに収集した。(3) そのエピソードデータの分析に基づき,英語学習意欲エピソード集,英語学習意欲を左右する要因(=収集されたエピソードから抽出・生成した概念)を整理したの表(いずれも英語教師教育実践で用いる資料)を修正した。また,英語を教授言語とする英語教師教育実践やALT研修などでの活用も想定して,教師教育資料の英語版も完成させた。(4) 前年度の探索的実践の評価に基づき,修正を加えた教師教育実践(「英語学習意欲」単元)を教職課程における「英語科教育法」において実施した。(5) その教師教育実践(理論的背景,実践上の工夫,成果と課題)について,全国語学教師学会 (JALT) 第39回国際大会(神戸国際会議場)において発表を行った。(6) 前年度までの研究成果の一部を『四国英語教育学会紀要』第33号に「英語教師教育における英語学習体験の省察ー「学習意欲」を対象テーマとしてー」というタイトルの論文として発表した。(7) 英語教師教育用の資料(開発した英語学習意欲エピソード集(英語・日本語),英語学習意欲を左右する要因を整理した表(英語・日本語),英語学習意欲を考えるための引用,英語教師教育における学習体験の省察についての理論的考察,資料活用マニュアル)を冊子としてまとめ,現在関係の機関に配布をしているところである。
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