研究の成果として,次の3つを挙げることができる.第一は,数学学習における協調的な学力を定義し,その力の育成を目指した数学学習として「見つめ考え議論する学習」を論文にまとめ,協調的な学力を育成する学習の理論的枠組みを構築したことである.第二は,その学習を「夏休み数学学習会」と称して中学生に対して実際に行い,現実可能であることを示したことである.第三は,その実践において事前事後のアンケート調査を実施し,参加者の数学観・数学学習観が個人的・個別的なものから柔軟で他者を意識したものに変容したことを明らかにし,この実践が協調的な学力の育成に寄与することを示したことである.
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