研究課題/領域番号 |
23531208
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中西 淳 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10263881)
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キーワード | 俳句 / haiku / 国際交流 / 創作 |
研究概要 |
我が国と学習者と北米の学習者との俳句・ハイクによる効果的な交流を行うためには、北米においてハイクがどのように受け止められ、どのように親しまれているのかを捉えていく必要がある。それと同時に、我が国の俳句教育がどのように行われているのか、それに関する情報も発信していく必要がある。本年度は、北米における二つのハイクカンファレンスに参加することによって、それらについての情報の収集と発信を主に行った。 前者に関しては、北米におけるハイクの概念やハイクの楽しみ方について、文献では捉えきることのできない情報を得ることができた。ハイクのみならず、タンカ、レンク、ハイブン、ハイガなど、我が国の伝統的言語文化に幅広く親しんでいること、ハイクと音楽や舞踏とを結びつけながら自己表現を行っていること、さらに、地域に即した歳時記の編集がなされていることなどが確認できた。後者に関しては、我が国の高校生に対する俳句教育の一環として、「松山俳句甲子園―全国高等学校俳句選手権大会―」の試みが成果をあげていることを報告した。北米においても若者のハイクに対する関心を高めていくことは重要な課題となっており、参加者にはその報告は興味をもって受け止められた。それとともに我が国の俳句教育に関する情報はほとんど発信されていないことも明らかになった。 その他、全国大学国語教育学会(筑波大会)にて、「ハイク創作に関する一考察―T.A.Carter著『Lighting the Global Lantern』を手がかりとして―」と題し、前年度の研究成果の一部を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイクカンファレンスに参加しさらにそこで発表することによって、文献のみでは得られない北米におけるハイク享受のあり方が捉えられたから。さらに、我が国の俳句教育に関する情報が十分に発信されていないという問題点も明らかになったから。
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今後の研究の推進方策 |
我が国の学習者と北米の学習者との俳句・ハイクによる効果的な交流を行うためには、教師自身が俳句・ハイクの教材価値を捉えておく必要がある。来年度は、北米の小学校教師を対象にハイクワークショップを行う予定である。さらに、国内・国外の俳句教育に関する情報収集をさらに推進する。さらに、俳句指導のあり方を探究する。
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次年度の研究費の使用計画 |
来年度は、北米の小学校教師を対象としたハイクワークショップを行うため、そのための渡航旅費、通訳費、機器購入費が主な研究費となる。
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