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2011 年度 実施状況報告書

持続発展教育の観点を踏まえた地球惑星科学分野での新しい実験・実習・演習教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23531214
研究機関桜美林大学

研究代表者

根本 泰雄  桜美林大学, 自然科学系, 准教授 (30301427)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード小学校 / 中学校 / 理科 / 地球惑星科学 / 実験・実習・演習 / 地震 / 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震 / 宮城県
研究概要

研究テーマを3種類に大別し研究を遂行した.(1) 教科書分析:平成23年度使用の小学校「理科」の全教科書に掲載されている地球惑星科学に関係する実験・実習・演習を全て抽出し,教科書間の相違を比較検討した.その結果,例えば同じ実験であっても実験方法は教科書により大きく異なることが判明した.これは,前学習指導要領時代の教科書と同様の状況である.そこで,キッチン地球科学の精神に基づき,指導が困難であると思われる教材の改良,キッチン地球科学としての実験にはなっていない実験に対してキッチン地球科学として取り扱える教材開発,およびいずれの教科書にも掲載されていないが,地球科学の実験等として追加して貰いたい実験等の提案を,研究協力者と行った.あわせて,一部の教材は授業実践研究も小学校6年生を対象として2校にて行った.その結果,提案した教材は改善の余地は残るものの,概ね理解を助ける教材として有益であることが判明した.(2) 理科教育・安全教育の充実を目指すための被災地におけるアンケート調査:宮城県北部教育事務所管轄内大崎地区と気仙沼市とにある公立小・中学校を対象としたアンケート調査を実施した.その結果,防災ずきん(防災ヘルメット)の配備率が低く約2割であることなど,自然災害への備えとして考慮すべき事項,および「理科」にて取り扱うべきと考えられる内容を抽出した.今後より精細な分析を行う予定である.(3) 地震被害の教材化に向けた資料収集:宮城県を主対象に地震被害と復興・復旧の様子とを「理科」の視点から教材化することを試みるため,定期的に定点観測を行い教材作成のための資料収拾を行っている.研究協力者や併設校(中・高)の理科教員と議論を行い,学校の視点から見た教材化の方向性を探っている.その結果,学校での被災を対象とした教材化を試みる方針で研究を進めることが重要であると判明した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記した(1)に関して,日本地学教育学会大会にて研究発表を行う,共著の著書として実験のレシピを一部公表,理科教室誌にレシピの公表等を行ってきたが,改善や提案する実験・実習・演習の全部に関して公表が済んでいないことによる.なお,日本地球惑星科学連合2012年大会および第34回IGCにて成果の一部を発表予定である.(2)に関しては,調査結果の大概を平成23年度中にまとめる予定であったが,激甚被災地での調査は想像以上に時間を要したため分析が平成24年度へずれこんでいることによる.ただし,その概要は公益社団法人日本地震学会2011年秋季大会で報告済みであり,日本地球惑星科学連合2012年大会にて発表予定である.(3)に関しては,(1)から派生した内容であり,現時点では概ね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

小学校向けのレシピ作成を引き続き進めると同時に,平成24年度から新学習指導要領にて「理科」の授業が開始された中学校「理科」の教科書分析を小学校の教科書分析と同様に進めていく.また,小学校「理科」教科書分析からの取り組みと同様に,キッチン地球科学の精神に則った中学生向け教材の提案を行い,一部は授業実践研究を行う予定である.アンケート調査結果に関しては,不足分の調査を実施し,より詳細な分析を実行していく.あわせて,被災地を題材とした教材化を進めるため,定期的に定点観測を行っていく予定である.

次年度の研究費の使用計画

上述した研究の推進には,教材開発に必要となる実験素材などを購入するための消耗品費が引き続き必要である.被災地の定期的な定点観測を行うためにも旅費・交通費が必要である.また,国際大会での発表を含む成果の公表に要する旅費・交通費も必要である.旅費節約のため,通常はML等を活用して研究協力者と議論を進めているが,開発した教材を前にした議論は不可欠であるため,研究会を開催するための旅費・交通費も欠かせない.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 理科教育は防災教育のどの部分を担うべきなのか -地域を知ることから始める防災教育のすすめ-2012

    • 著者名/発表者名
      根本泰雄
    • 雑誌名

      理科教室

      巻: 1月号 ページ: 6-13

  • [学会発表] JpGU教育問題検討委員会教育課程小委員会が提案する中学校「理科」における地震教育カリキュラム -その開発と実践-2011

    • 著者名/発表者名
      根本泰雄・佐藤明子・能見郁永・河潟俊吾・南島正重・林信太郎・渡邉正人・矢島道子・畠山正恒・瀧上 豊・宮嶋 敏
    • 学会等名
      公益社団法人日本地球惑星科学連合2011年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2011年5月22日
  • [学会発表] 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震から何を学ぶか ~わかったこと,わからないこと,わかりたいこと~2011

    • 著者名/発表者名
      根本泰雄
    • 学会等名
      科学教育研究協議会関東甲信越ブロック理科研究大会2011(招待講演)
    • 発表場所
      相模原国民生活センター
    • 年月日
      2011年11月05日
  • [学会発表] (公社)日本地震学会主催教員免許状更新講習の講座で求められる教育内容2011

    • 著者名/発表者名
      根本泰雄・上西智紀・齋藤誠・岩田孝仁・中川和之・小山真人・美澤綾子・荒井賢一・宮嶋敏・南島正重・中島健・伊東明彦・数越達也
    • 学会等名
      公益社団法人日本地震学会2011年秋季大会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2011年10月13日
  • [学会発表] 教員サマースクール 2011の実施と教員免許状更新講習の開設2011

    • 著者名/発表者名
      数越達也・斎藤 誠・小山真人・岩田孝仁・中川和之・上西智紀・伊東明彦・根本泰雄・荒井賢一・中島 健・ 美澤綾子・南島正重
    • 学会等名
      公益社団法人日本地震学会2011年秋季大会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2011年10月13日
  • [学会発表] 平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震発生時の学校の対応に関する調査2011

    • 著者名/発表者名
      伊東明彦・根本泰雄・大木聖子・数越達也・真下典久
    • 学会等名
      公益社団法人日本地震学会2011年秋季大会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2011年10月13日
  • [学会発表] 地球科学の視点による地域の変遷から学ぶ防災・減災の教材開発 - 桜美林学園および袖ヶ浦市立根形中学校での授業実践研究を通して -2011

    • 著者名/発表者名
      根本泰雄・庄司光利
    • 学会等名
      日本地学教育学会2011年大会
    • 発表場所
      広島大学東千田キャンパス
    • 年月日
      2011年10月09日
  • [図書] 実験で実践する魅力ある理科教育 高校編 (第2編「地学」分野地学1~4 を担当)2011

    • 著者名/発表者名
      根本泰雄(川村康文他編著)
    • 総ページ数
      261 (うち8ページを担当)
    • 出版者
      オーム社
  • [図書] 持続可能な社会と防災教育 (第1章4;第2章4 を担当)2011

    • 著者名/発表者名
      根本泰雄(藤岡達也編著)
    • 総ページ数
      204 (うち47ページを担当)
    • 出版者
      協同出版
  • [備考]

    • URL

      http://www.www2.obirin.ac.jp/nemo/

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公開日: 2013-07-10  

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