対外認識育成をはかる外国史教育の内容構成のあり方について、時間的・空間的認識の統一的把握を実現する材料として「歴史地図」の活用が有益である。 「歴史地図」は、各国・諸地域の歴史的背景及び地理情報の読み取りスキル獲得に資する教材である。これは、歴史的世界像の獲得にとどまらず、現在の歴史的世界と地理的認識との関連性を同時に読み取ることを可能にする。さらに、読み取った歴史的・地理的認識の成果を活かし、情報通信機器の活用を通じて、生徒同士が対外認識を深め合う学習とその組織づくりを促進しうる教材である。この「歴史地図」の有する特質と学習成果は、日本の「世界史」教育改善に対する示唆に富むものである。
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