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2012 年度 実施状況報告書

若年者の職場定着に関する研究~職業教育を通じて

研究課題

研究課題/領域番号 23531236
研究機関弘前大学

研究代表者

小磯 重隆  弘前大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50431458)

キーワード進路指導 / 若年者の職場定着
研究概要

本研究は、青森県の若年者雇用に関し、入社3年以内離職率が59.8%(平成16年青森県高等学校卒業者)に上る緊急課題を、高等学校調査を行い、県生涯学習課等の関係機関と協力し、若者を自立へと導く「職業教育」を研究・開発するものである。研究の計画を3区分し、第一の計画は高等学校調査、第二の計画は調査の分析から「基礎職業教育」要素を検討し教育コースを開発、第三の計画は開発された教育コースの実施と検証を行う。本年度は、第二の計画を主に、教育コースの開発を実施した。
高等学校調査は、昨年度、郵送によるアンケート調査を青森県内すべての高等学校に依頼し、69校(回答率81.2%)から回答を得た。つづいて、直接、進路指導部門を訪問ヒアリングする調査を県内20校実施した。本年度は、追加のヒアリング調査を県内5校実施し、補足調査の他、進路指導担当者の考えを継続的に聞いた。
第二の計画である教育コースの開発について、6月に県総合社会教育センター主催による「青少年教育プログラムの開発」の中で中高生に対して「コミュニケーション力を知る」演習を実施する中で検討した。また、大学生に対して課題達成型授業(参加型授業)90分×3回を実施する中で検討をした。大学生について、インターンシップ(就業体験)の事前研修カリキュラムを本研究と合せて実施し教育コースを検討した。
講義と実習からなる教育コースを3時間×4コース開発する予定であるが、3時間×2コース及びインターンシップ関連1コースを開発し、本年度に仮の試験的実施を行った。1コースはあえて残し、この3コースに不足する「基礎職業教育要素」を盛り込んで再検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の計画を3区分し、第一の計画は高等学校調査、第二の計画は調査の分析から「基礎職業教育」要素を検討し教育コースを開発、第三の計画は開発された教育コースの実施と検証を行う。昨年度は、第一の計画を主に、高等学校調査を実施し、本年度は、第二の計画を中心に教育コースの開発を行った。
高等学校調査の「研究の目的」は、進路指導体制や模範的なキャリア教育カリキュラムを見つけることではなく、高等学校の教育に不足すると考えられる若者への「基礎職業教育」要素を検討することにある。職業観やキャリア意識を含む「職業に立ち向かう能力」であり、アンケート調査及びヒアリング調査から、能力要素を見い出した。高校進路指導担当者の考えを継続的に聞くため、本年度もヒアリング調査を実施した。次年度にも継続する予定である。
第二の計画である教育コースの開発について、講義と実習からなる教育コースを3時間×4コース開発する予定であるが、3時間×2コース及びインターンシップ関連1コースを開発し、仮の試験的実施を行った。1コースはあえて残し、この3コースに不足する「基礎職業教育要素」を盛り込んで再検討する予定である。試験的実施では県総合社会教育センター主催による「青少年教育プログラムの開発」の中で中高生に対して「コミュニケーション力を知る」演習を実施する中で検討した。また、大学生に対して課題達成型授業(参加型授業)90分×3回を実施する中で検討をした。大学生について、インターンシップ(就業体験)の事前研修カリキュラムを本研究と合せて実施し教育コースを検討した。モデルカリキュラムとして教育コースの概要を3コース開発する成果が得られた。

今後の研究の推進方策

高等学校調査について、直接、進路指導部門を訪問ヒアリングする補足調査を5校程度行う。進路指導担当者の考えを継続的に聞いていく。職業教育は、専門的な知識・技能のための「専門職業能力」と、基礎的な職業観やキャリア意識を含む「基礎職業能力」がある。本研究では、この基礎職業能力に着目し、若者が仕事に立ち向かう能力を身に付けるための教育コースを研究・開発する。第三の計画(現場で実施し検証する)を中心に、高校、大学、職業訓練校などの教育現場で実施し検証する。
「仕事が楽しくなる能力」も、若者が仕事に立ち向かう能力のひとつになると想定しており、この能力要素を体験的に学べる具体的内容及び教材を開発するという手順を踏む。本年度は開発された教育コースの実施・検証を中心に、能力要素の教育効果を明らかにしていきたい。3時間×4コースを検討しているが、受講側の都合により「1時間研修」などの制約がある場合もあり、実際に開講できる、時間数やコース数も見直す。今年度までに、課題達成型授業(参加型授業)が有効である結果が得られている。インターンシップ関連1コースも試験的実施を行った。能力要素の教育効果は短期的に評価でき得ないものも多く、年度内に評価・検証を終えられない内容もあるが、現場で実施し検証することを中心に実施する。また、外部連携として青森県総合社会教育センターや青森職業能力開発短期大学校にも協力いただき、高校生や大学生への教育コース実施を行っていく。

次年度の研究費の使用計画

今年度、高等学校調査(ヒアリング調査)を継続しているため、中間報告書の作成が未実施であり42,600円の繰越研究費が生じた。継続調査を踏まえ、研究成果報告書の中でまとめることとした。
物品費として、キャリア教育関係図書及び職業能力開発関係図書(3000~5000円×各10冊程度)80,000円、開発する職業教育コースの文具・材料費・教材費192,600円、教育コーステキスト・資料作成費150,000円を計画している。教育コースの内容を再検討するため、必要となる教材は現時点で確定しないが、紙・ファイル類・文具・データ保持・テキスト等及びホワイトボード等機材となる見込みである。開発した、講義と実習からなる教育コース(3時間×3コース)の実施・検証の他、次年度に1コースの開発を残している。3コースに不足する「基礎職業教育要素」を盛り込んで再検討する予定である。旅費として、資料収集(職業能力開発総合大学校等2回)120,000円、教育コース開発(高等学校等10回程)150,000円、高等学校訪問(ヒアリング調査5校程)50,000円を計画している。その他として、教育コース実施にかかる会場費200,000円、研究成果報告書作成(印刷・通信)100,000円を計画している。直接経費として1,042,600円、間接経費300,000円を計画している。
研究を遂行する上で、第三者に講師を依頼して確認する場合には、研究費の使用計画を一部変更して謝金として対応することを検討する(実施する場合の変更は50,000円程度の範囲)。会場費について高校や職業訓練校などを無料で使用できる見込みもあり、この場合には使用しないこととする。

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公開日: 2014-07-24  

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