研究課題/領域番号 |
23531237
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
山崎 友子 岩手大学, 教育学部, 教授 (00322959)
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研究分担者 |
山崎 憲治 岩手大学, 教育学部, その他 (40422068)
HALL James 岩手大学, 教育学部, 准教授 (80361038)
西館 数芽 岩手大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90250638)
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キーワード | 防災 / 災害文化 / 学校教育 / 自然観 / 長期スパン |
研究概要 |
2011年の大津波による被災地における実践的研究から、災害を異常な自然現象だけでなく、その後の救援・復旧・復興という長いスパンで捉えること、防災はその中のあらゆる段階で実現されること、そして、防災の努力をとおして災害文化が形成されていくことを明らかにした。最終年度に二つのフォーラムを開催し、成果を発信した。「被災地に学ぶ 被災した子ども達とともに~災害文化の醸成・継承・伝播」というタイトルで教育に焦点を当て、岩手大学第6回地域防災フォーラムとの共催で2013年11月22日に開催した。また、自然観に焦点を当て「自然と共生する人間~多様な自然観と災害文化」と題し岩手大学第7回地域防災フォーラムとして、企画・コーディネート・発表・司会を行い2014年1月30日に実施した。 被災地宮古市田老地区の中学校、高等学校、保育園において、実験的授業を実践した。いずれも3年継続した実践である。中学生と大学生の合同授業では、「街づくり」をテーマとし、教員研修留学生も参加した。この合同授業は、被災地外での語り部活動として発展した。保育園・高校では、英語に親しむ活動、地域に誇りを持ち英語で発信する授業を行った。釜石の高校では、復興を目指すSSH事業に協力し、科学を楽しめるよう講演した。子ども達の学習・語り部活動・発表は力強いものであり、地域への誇りを育て、発信し、風化を阻止することが、被災地の子ども達の復興の担い手としての意識を高め、社会的存在としての力量をつけさせており、「教育」が災害文化の大きな要素の一つであることが示された。 最終年の新たな研究として、被災地の「神社」を調査し発表した。岩手県沿岸には漁港を見守る所に「神社」がある。そのほとんどが被災していない。漁業という地域の生業とその安全を祈る文化が、神社の配置となってあらわれている。災害文化の一つの要素として「自然観」を位置づけた。
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