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2011 年度 実施状況報告書

児童生徒の校種移行時の適応を向上させるための「テークオーバーゾーン」

研究課題

研究課題/領域番号 23531243
研究機関千葉大学

研究代表者

磯邉 聡  千葉大学, 教育学部, 准教授 (90305102)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード中1ギャップ / 学校不適応 / 学校間連携
研究概要

校種移行期の児童生徒の効果的な連携のあり方を、主に事例や具体的な取り組みを中心に実態調査を行った。校種移行を子どもの発達にそって、(1)未就学-幼稚園、(2)幼稚園および保育園-小学校、(3)小学校-中学校、(4)中学校-高等学校等、(5)高等学校-進学先、の5種類に分け、それぞれどのような取り組みがなされているかについて事例研究を行い、以下のような結果が得られた。(1)未就学-幼稚園への移行:主として保護者との面談および本人観察によって必要な情報を収集している。具体的には「新入園児面接」「入学アンケート」「1日入園」等の機会に、発達状況、生活習慣、コミュニケーション等を観察し、気になる子どもを把握する。(2)幼稚園および保育園-小学校への移行:主として園からの情報を収集し、気になる子どもを把握する。具体的には、小学校から出身園に出向き、子どもの状況を把握したり、引き継ぎフォーマットを作成しハイリスクな児童をピックアップする。(3)小学校-中学校への移行:公立学校間では組織的な引き継ぎが実施されている。小学校の担任と中学校の教員による引き継ぎ会の中で、さまざまな情報交換を行うとともに、入学体験児の様子なども参考にしながら、学級編成等を行っている。(4)中学校-高等学校への移行:「入試」の存在により、入学前に否定的な情報が伝わりにくいため、入学後に生徒へのアンケート等でハイリスクな生徒の把握に努める学校もあるが、積極的に組織的な情報交換がなされている例は多くない。(5)高等学校-進学先:進学先から照会があった場合には必要な情報提供を行うことがあるが、システムとして高等学校と進学先が連携をとっている事例は多くない。 以上のように、校種別の連携の実態を明らかにすることができた。また、公立学校と私立学校においても差異が認められ、今後は、校種間の移行をスムーズに行うためのモデルの構築が必要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各学校種(幼稚園、小学校、公立中学校、私立中学校、普通高校、公立単位制高校、私立単位制高校)について引き継ぎシステムの実態と問題点把握することができ、本研究の目的である、校種移行時に役立つ引き継ぎのあり方について多くの示唆を得ることができた。

今後の研究の推進方策

現在までの知見を国際学会にて発表し、広く伝達するとともに、先進的な取り組みを行っている学校を訪問し、よりよいモデル作成の指針を得る。さらに、「テークオーバーゾーンモデル」の素案を作成する。

次年度の研究費の使用計画

国際学会への参加費、および学校視察費として研究費を使用するとともに、引き続き必要な文献の収集および、事例の収集、さらにモデルづくりにかかる諸経費として研究費を使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 新年度、心理的問題を抱える子どもたちを養護教諭がいかに把握し、サポートしていくか2012

    • 著者名/発表者名
      磯邉 聡
    • 雑誌名

      健

      巻: 41 ページ: 29-33

  • [雑誌論文] 小柴論文へのコメント2012

    • 著者名/発表者名
      磯邉 聡
    • 雑誌名

      文教大学臨床相談研究所紀要

      巻: 16 ページ: 印刷中

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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