研究課題/領域番号 |
23531243
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
磯邉 聡 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90305102)
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キーワード | 中1ギャップ / 小1プロブレム / 学校不適応 / 学校間連携 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の研究結果の一部を国際学会で発表するとともに、校種移行期の不適応を軽減するための「テークオーバーゾーンプログラム」の素案を、各学校種(小学校・中学校・高等学校)ごとに作成した。また、いくつかのプログラムをパイロット的に実施し、さらなる内容の洗練を目指した。テークオーバーゾーンプログラムは、①把握しておきたい情報(ハイリスク要因)、②テークオーバーゾーンスケジュール、③具体的なプログラムから構成され、できるだけ現場の教職員に新たな負担をかけることなく、効果を発揮できるようにすることが意図された。現時点におけるそれぞれのプログラム案の概要は以下の通りである。 1)小学校版 ①把握しておきたい情報 健康状態、家庭的要因、福祉的要因、発達的要因など。②プログラム 就学時検診、入学説明会、職員間の引き継ぎ、保護者からの相談申し込みなどの機会を通じ、具体的な行動観察や質問紙、面談等による情報収集を行い、支援に活用する。 2)中学校版 ①把握しておきたい情報 家庭的要因、健康状態、登校状況、小学校の状況、本人に起因する要因など。②プログラム 入学説明会、職員間の引き継ぎ、入学後の観察などの機会を通じ、さまざまな情報収集を行うと同時に、本人や家族からの申し出を可能にする工夫を行い、支援に活用する。 3)高等学校版 ①把握しておきたい情報 通学距離、前籍校の学校規模、欠席日数、健康状況、発達状況、学力、不本意入学、家庭状況、対人関係能力など。②プログラム 合格発表および入学式後に、前籍校との連携、本人からの情報収集、保護者からの情報収集、教師による観察等を行い、支援に活用する。 以上のように、「テークオーバーゾーンプログラム」の素案が作成されたが、研究の中でこれらを包括的に実施する主体としてのワーキングチームの必要性が認識され、この点についてもさらなる検討が必要だと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最終的なアウトプットである、校種移行期の不適応を軽減するための「テークオーバーゾーンプログラム」の素案を、各学校種(小学校・中学校・高等学校)ごとに作成した。 また、成果の一部を国際学会で発表し、広く発信した。
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今後の研究の推進方策 |
推進方策:得られた知見を国際学会等にて発表し、広く発信するとともに、「テークオーバーゾーンプログラム」の最終版の完成を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際学会への参加費、および視察費として研究費を使用するとともに、引き続き必要な文献および事例の収集を行い、最終報告書を作成するための諸経費として研究費を使用する。
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