本研究は、教育遊具というアイテムに対して、造形芸術的側面と科学的側面からアプローチしたものである。従来、理科教育や数学教育と美術教育は、遠くかけ離れた領域という認識が一般的であった。しかし近年、総合的学習が学校教育現場に行き渡るにつれ、教科の枠組みを外し、横断的な内容が教授されるようになってきた。 そこで、当初から3分野の内容を盛り込んだ教材を遊具として開発し、体験者がそれを触りながら、あるいはそれに乗って遊びながら、造形教育(デザイン)のみならず理科教育(物理)や数学教育(幾何学)の1領域が学べることを意図したものである。さらには、平衡感覚や身体感覚を養う保健体育との関連も視野に入れた。
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