研究課題/領域番号 |
23531254
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
土屋 英男 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20188577)
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研究分担者 |
湯川 夏子 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (40259510)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交流,フランス |
研究概要 |
本研究の目的は,総合的な学習の時間において,食農教育を内包する味覚教育を,児童を対象に実践する効果的なプログラムを開発することである。日本食を中心とした味覚教育であり,日本の食文化の伝承をも意図している。 23年度は,(1)フランス版味覚教育プログラムに関する分件や情報の収集,(2)日本の学校現場における,味覚教育を中心とした食教育の現状と課題の分析,を計画・実施した。(1)については,23年度に偶然ではあるが,フランスの味覚教育発祥の地であるロアール地方を中心とした味覚教育視察ツアーが計画されたので,これに参加することとした。フランスの小学校,レストラン,農場における味覚教育が実践されている現場を視察するとともに,味覚教育を体験することなどを通じて,フランスの味覚教育に関する文献や情報を入手するとともに,味覚教育実践者との交流や講演会への参加を通じてフランス流味覚教育の実態を認識できた。また,国内では日仏会館などを訪問して関連文献や情報を収集した。 (2)については,日本での味覚教育は23年度から本格実施されている。同年度は国内で約40の小学校で実践された。その大半が東京都内の小学校での実践であったので,23年度はこのうち9校を選出して現地訪問し,味覚教育担当の教員を対象に面接調査法により情報収集した。その結果,多くの小学校で味覚養育は探りを入れる,単発的な実践であったこと,児童の反応は良好であり,味覚への認識が高まったこと,実践校の多くが味覚の要素のうち『旨味』について学習させていたこと,次年度以降も継続実施する希望が強かったこと,などが明らかとなり,フランスの味覚教育とは幾分異なった実施状況が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度の研究の目的はフランスおよび日本における味覚教育の実態を明らかにするための文献や情報を収集すること,両国の味覚教育を比較してその特徴を概略掴むこと,であった。当初の予定ではフランス版味覚教育プログラムについては日本国内での情報から把握する予定であったが,フランスでの味覚教育研修ツアーに参加できたことにより,より確度が高く実態に即したフランスの味覚教育情報が得られたのは幸運であり,当初予定していたよりさらに有益な情報が得られたといえる。 日本国内における味覚教育の実態調査については,23年度が前年度に比べて格段に多くの学校で味覚教育が実施されたことで,実態調査が比較的容易に実施できた。小学校における味覚教育の実態の概略は把握できたものの,未調査の学校も残っており,23年度の調査だけでは国内の全体像を把握したとは言いがたい。そこで,24年度にも実態調査を引き続き実施し,実態の把握を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
23年度の成果を活かし,24年度ではフランス版味覚教育プログラムを日本での味覚教育に応用する可能性を探ることが主な研究となる。23年度に収集した両国の資料をさらに詳細に比較検討し,現在実施されている日本での味覚教育の問題点や不足する点を明らかにする。とくに日本に比べてフランスの味覚教育が優れる点に注目し,さらなる改良の方向性を探るとともに,『旨味』に代表される日本の味覚教育に特有の要素について,どのような教育プログラムが適切であるのかについて,日本料理を専門とする料理人や料理学校の指導者からの情報収集を実施して,日本人に合った味覚教育のあり方について検討する。 25年度では料理素材のあり方について,それらが以下に生産されるかについて検討を加え,生産者と料理人との交流や情報交換のあり方を考察する。さらに食農教育のあり方と味覚教育への発展について,農家や料理人とのつながりの中で考究し,日本版味覚教育のプログラムを試作する。 26年度では作成した日本版味覚教育プログラムを学校現場にて実践し,その教育効果を検討するとともにその普及と学会等への公表を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度では23年度に収集した資料・情報を整理するために,研究費の一部を使用する。また,23年度で未調査であった日本の小学校の味覚教育の実態調査を継続するための旅費を使用する。 日本特有の味覚教育に関する調査費として,日本料理を専門とする料理人や料理学校の指導者に対する情報収集に関わる費用や現地訪問の旅費,アンケート関連費などを使用する予定である。
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