本研究は、学力育成に寄与する伝統文化の教育を実現するために、義務教育9年間の和楽器合奏の教材プログラムを開発することを目的とした。このプログラムは和楽器の演奏技能の習得を目指すのではなく、和楽器合奏を教材とすることで伝統的な音楽性を覚醒し、知覚・感受を核とする音楽科の学力育成を主眼とするところに独自性をもつ。そこで音探究から音のコミュニケーションを通して合奏を形成していく生成のアプローチをとった。活動内容としては、わらべうたと箏による音楽経験を中心として、そこに竹や和の打ち物を加え、中学校ではさらに篠笛、三味線を加えることで音楽経験の発展をはかった。
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