研究課題/領域番号 |
23531258
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
伴 恒信 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (70173119)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | シティズンシップ教育 / 道徳教育 / コミュニティ / キャラクターエデュケーション |
研究概要 |
今年度は、平成23年度-25年度の本研究課題「道徳的シティズンシップ育成のためのコミュニティ参画型教育の政策組織に関する研究」を実施する初年度に当たって、まずはアメリカ合衆国およびEUのヨーロッパ諸国において如何なる教育施策が取られ、具体的にコミュニティを巻き込むどのような教育実践が行われているか、その全体構図を把握するための情報収集と現地調査を行った。 アメリカ合衆国については、平成23年10月にキャラクターエデュケーションの全米組織が「倫理的コミュニティの創出に向けて」をテーマにサンフランシスコで開催した全国会議に参加してアメリカ全体の動向を探るとともに、実際にコミュニティを挙げて地域の子ども達の道徳的シティズンシップ育成に取り組んでいるPleasanton学校区の視察を行った。平成24年3月には、上記の全米会議での情報収集を踏まえて、ニュージャージー州全体の推進組織と同州各地の学校及び学校区での取り組みを現地調査するとともに、ワシントンDCでアメリカ連邦教育省ならびにサービス・ラーニング全米機構の担当者を訪問してインタヴュー調査を実施した。 ヨーロッパ諸国については、平成23年11月にワルシャワで開催されたヨーロッパ・シティズンシップ教育会議に出席して、EUおよびCouncil of Europeのヨーロッパ統合組織の教育政策とそれらに対する各国の対応策等に関する論議に加わった。また、イギリスではウォーリック大学教育研究所におけるシティズンシップ教育および関連する宗教教育に関する各種研究資料の収集と意見交換に当たり、ロンドンなどでは学校を訪問して上記教育の実際を見学した。 さらには、平成23年10月に中国南京市で開催された国際道徳教育学会では先の科学研究で実施した研究成果の発表を行い、世界の道徳教育関係研究者達との研究交流に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
報告者は、ユネスコ職員としての国際機関への勤務以来長年にわたって海外の教育関係者との幅広いネットワークを築いてきているが、本研究課題のようにアメリカとヨーロッパ両大陸にまたがる現地調査研究の実施のためには、その諸連絡準備にも煩雑な手続きの時間がかかり、燃油代高騰も含めて現地までの旅費等当初の見積もり以上に多くの諸費用を要したという状況がある。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように初年度の研究はおおむね所期の目的を達してきているが、ヨーロッパに関しては対象国も多く、現地調査のための費用も十分とは言えない。昨年度のウォーリック大学のようにヨーロッパ諸国の研究機関と連携しながら研究調査を推進しているその研究成果も活用し、効率的な現地調査を実施したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度アメリカ連邦教育省関係者を通じて紹介され面会したキャラクターエデュケーション全米組織のCEOから、世界の道徳的シティズンシップ教育の英知を結集する平成24年11月のワシントンDCでの会議に招待されるなど、従来の研究計画以上に有益な研究を展開する機会も新たに加わってきており、研究費の柔軟かつより効果的な活用をはかっていく。
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