研究課題/領域番号 |
23531258
|
研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
伴 恒信 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (70173119)
|
キーワード | 国際情報交換 / シティズンシップ教育 / 道徳教育 / コミュニティ |
研究概要 |
平成24年度は、本研究課題「道徳的シティズンシップ育成のためのコミュニティ参画型教育の政策組織に関する研究」の2年目に当たり、まず、昨年度にアメリカ合衆国の首都ワシントンで実施したような上記道徳的シティズンシップ育成のための教育施策を計画・施行するヨーロッパにおける中央行政機関や執行組織での聞き取り調査を企画した。平成24年11月から12月にかけてスペイン・コルドバで開催されたヨーロッパ・シティズンシップ教育国際会議に出席してヨーロッパでのシティズンシップ教育推進の全体状況を把握するとともに、EU本部の存在するベルギー・ブリュッセルでEUのシティズンシップ教育担当者に面会し、同教育施策の全体計画と実施状況に関する情報を得た。また、オランダ・アムステルダムに存在するIEA(国際教育到達度評価学会)を訪れ、IEAの実施する市民教育国際比較調査の2009年度調査に係る子細な調査結果の資料を入手した。 また上記ヨーロッパのシティズンシップ教育に関する政策組織に焦点を当てた調査と相前後して、平成24年9月-10月には北欧のノルウェーとスウェーデンにおける同教育の国別具体的実施状況を現地調査し、加えてシティズンシップ教育の促進・障害要因となっている社会背景に係る家族研究に関するヨーロッパ国際会議に出席して資料収集に当たった。 平成24年9月に北京師範大学で開催された「第2回日中道徳教育対話研究集会」において、ヨーロッパにおけるシティズンシップ教育の動向についてのこれまでの研究成果を報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヨーロッパでの現地調査に至るまでは、訪問先の関係機関担当者を見つけ出し面会のアポイントメントを確定するために周到な文献ならびにインターネット等を通じての事前調査研究と、訪問機関および関係者との数知れない連絡文書・メールのやり取りを必要とする。限られた渡航費用の制約の中で、ここまで現地での調査研究を進められただけでも十分な成果があったものと評価している。
|
今後の研究の推進方策 |
上述のような研究を実際に推進する上での桎梏は存在するものの、関係の研究者が多く集まる研究集会や会議なども上手く日程に組み入れながら、次年度の研究計画を進めていきたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本研究課題の最終年度に当たる次年度には、研究目的完遂のためにもアメリカおよびヨーロッパの両大陸地域でのフィールド調査が欠かせない。その見通しもあり、本年度の研究費を一部留保して次年度に回した。最近の円安傾向の影響もあって、予想以上に研究費の多くの部分を旅費に充てる必要が出てくるものと思われる。
|