研究課題/領域番号 |
23531260
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福田 正弘 長崎大学, 教育学部, 教授 (60149929)
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キーワード | 社会科 / シミュレーション / ビジネスゲーム / 経済教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、①実社会の有り様を反映して、多様な在り方が可能であることを体験的に理解できるシミュレーション教材を開発する、②そして、開発した教材を用いて、単一の在り方しか認めない子どもの認識を揺さぶり、子どもがその偏狭な認識を変革し発展させていく筋道を実証的に明らかにすることである。 そのため、本研究はシミュレーション教材の開発とその教材の有効性の検証という実験的実証的方法によって進めていく。教材の開発はこれまで開発されてきた既存のシミュレーション教材に学びつつ、教材化する事例の研究を踏まえ、教材の核となるシミュレーション・モデルを構築する。試作された教材は、大学生と中学校・高等学校生徒による二重の評価試験を経て、調整を加えていき、完成度を高めていく。最後に、開発した教材を使用する授業実施のためのマニュアルやワークシート等補助教材を作成し、WEB上で発信、本格的普及を図る。また、教材利用者に事前アンケートおよび事後の評価アンケートを答えて貰い、本教材の有効性を広く検証するとともに、他の分野での教材開発ニーズを探り、今後の研究の発展資料とする。 本年度は、前年度構築したシミュレーション・モデルをもとに教材を試作し、コンピュータによる調整と、大学生および高校生による試行実験を繰り返し、教材の完成度を高めていった。以上の経過は、学会発表および論文で報告するとともに、WEBページにて速報している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の当初の計画は、①シミュレーション教材の開発、②仮完成した教材のチューニングである。①については、前年度構築した多層市場モデルに基づいて、シミュレーション・ゲームを開発した。②については、コンピュータによるチューニングを重ね、適切なパラメータを探り、その後、大学生による試行実験を複数の大学で実施し微調整をしていった。こうしてゲーム実施の安定性が確認されたので、高校生段階の学習者に試行実験を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の成果をさらに発展させ、高校及び中学校での試行実験を展開し、教材の完成度を高めていく。そうして、教材の本格普及に向けての最終調整に入っていく。そのため、実験協力校を長崎県内に限定せず、意欲のある学校を全国的に募り、試行実験を展開していく。その際、教材の利用マニュアル、指導解説書等付属資料を整備し、WEBサイトで掲載し、広報を兼ねて本格運用の準備に入る。そして、教材の最終評価と研究のまとめを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
試行実験の本格的実施と普及活動、研究成果の報告が中心となるために、旅費支出が増大する見込みである。
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