研究課題
[最終年度に実施した研究の成果]第一に、中学校「総合的な学習の時間」におけるキャリア教育の授業を参与参観した結果、ファシリテーション・グラフィック法を用いた言語活動を単元に適切に位置付けることが有効であることが確認された。第二に、職場体験活動後に中学生が作成した感想文をテキストマイニングの方法を用いて分析した結果、体験内容に対する情意を表現している生徒は、質問紙調査において自らの能力を低めに見積もる傾向にあることが明らかになった。第三に、普通科を有する高等学校でキャリア教育を担当している教員5名(うち2名は管理職)を対象として半構造化面接法に基づく面接調査を実施した結果、体験型キャリア教育の意義を教職員が共通理解することが最も重要であり、そのための環境整備が肝要であることが明らかになった。[研究期間全体を通じて実施した研究の成果]中・高等学校における体験型キャリア教育の促進理論の概要は、事前指導の場面では、探究する課題を生徒が協同的に設定したり、生徒の自己効力感や自尊感情を高めるエクササイズを行ったりすること、事後指導の場面では、新たな課題を設定したり、評価の充実を図ったりすることである。「エクササイズ」としては、生徒が他者と関わったり、自分自身の個性を考えたりする活動を行うことが有効である。また、探究する課題を「協同的に設定」する場面ではファシリテーション・グラフィック法を採用し、集団思考と個人思考との往還を通して生徒自身の体験を経験化することが有効である。さらに、「評価の充実」に関しては、評価対象として質問紙や感想文を用いることが一般的であるけれども、定量的な結果と定性的な結果とは正に相関するとは限らないので注意が必要である。
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NSS通信
巻: 13 ページ: 17-18
新潟青陵学会誌
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Federation for Psychotherapy, Psychotherapy and Psychosomatics
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