平成23年度、24年度の授業研究、事例研究の分析結果を整理し、「重複障害者のための領域・教科を合わせた指導プラン(試案)」(以下、「プラン」)を平成25年11月に作成した。ここでは、研究目的に掲げた4つの観点(重複障害者に対する実態把握、重複障害者に対する目標設定、重複障害者に対する支援の手立て、授業を通じての重複障害者の効果と課題)に即して以下のようにまとめた。すなわち、過去2年間で検討した14件の生活単元学習及び作業学習の単元ごとに行った分析結果をレビューし、最終的に重複障害者に対する領域・教科を合わせた指導の特質、効果及び課題を整理した。作成にあたっては、授業づくりの流れを意識し、以下の項目で整理した。「実態把握」(観点1)、「目標設定」(観点2)、「手立ての立案(単元計画作成を含む)」(観点3)、「期待される効果(評価視点を含む)」(観点4)、「注意すべき事項」(観点4)。 これを一読すれば、授業づくりのイメージがつくれるような構成とした。こうすることで実践現場において、本研究の成果を反映することが容易になると考えた。 研究対象校のうち2校に対し、作成過程で各1回訪問し、授業者らと協議し、プランの内容について意見交換を行った。 平成26年2月に、研究期間の最終報告書を発行した。プランはその中に所収するとともに、別途リーフレットとしても作成した。報告書、プランは研究対象校3校に提出した。 なお、プラン作成の過程で行った研究の一部を「授業分析における知的障害教育指導案「読み取り」の事例的検討 」として「発達障害研究」誌に掲載した(平成25年8月)。
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