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2013 年度 実績報告書

発達障害のある大学生に対するコミュニケーション教育法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23531286
研究機関富山大学

研究代表者

西村 優紀美  富山大学, 保健管理センター, 准教授 (80272897)

キーワード障害学生支援 / 高機能自閉症スペクトラム障害 / コミュニケーション支援 / 発達障害
研究概要

本研究は、高機能自閉症スペクトラム障害者の社会的コミュニケーション能力を促進し、優位な認知特性をコミュニケーションツールとして活用するプログラムの開発を目的としている。自閉症スペクトラム障害の特徴である社会性・コミュニケーションの困難さは、その場のコンテクストが明確に示されていない場合に起こりうる問題であり、個体としての能力のみに帰することはできないとの仮説の元に、いくつかのコミュニケーション場面を設定し、ナラティブ・アプローチによる質的研究を行った。コミュニケーション場面は、次の三つの場面である。①自閉症スペクトラム障害者がファシリテーターとして行うコミュニケーションワークショップ、②芸術的活動を通したコミュニケーション活動、③テーマトークを主体とした小集団活動である。
高機能自閉症スペクトラム障害者は「場のコンテクスト」を作り出す主体者としての役割を担う場合、コミュニケーション上の問題は起こらないばかりか、参加者の表現を引き出すための工夫や言葉がけの工夫などを自らが率先して行い、より良いコミュニケーションの場を作り上げる努力をしていた。その大きな要因は、以下の三点であった。①支援者が活動の意図と意味づけを言語化し明確に伝えることによって、自らの役割を認識することができ、活動の目的に沿ったファシリテーターとしての役割を実行することができた、②直接的なコミュニケーションではなく、芸術的表現活動を媒介にした三項関係の中で、対人的緊張感を感じることなく、コミュニケーション活動に参加できた、③小集団活動の中で自分自身の振り返り、将来への展望を含めた将来像を語り合うことによって、日常に近似した状況での表現の仕方や非言語的コミュニケーション様式を学ぶことができた。以上のプログラムによって、自己理解・他者理解が促進され、コミュニケーションそのものへの不安感が解消されていった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 発達障がいのある大学生への支援-修学支援から就職支援への展開-2013

    • 著者名/発表者名
      桶谷文哲、西村優紀美
    • 雑誌名

      学園の臨床研究

      巻: 12 ページ: 45-52

  • [雑誌論文] 発達障がい大学生への小集団による心理教育的アプローチ~ナラティブの共有とメタ・ナラティブの生成~2013

    • 著者名/発表者名
      水野薫、西村優紀美
    • 雑誌名

      学園の臨床研究

      巻: 12 ページ: 19-27

  • [学会発表] 社会参入に向けた発達障害大学生支援2013

    • 著者名/発表者名
      西村優紀美、村田淳、ソルト、横山弘和
    • 学会等名
      一般社団法人日本LD学会22回大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20131013-20131014
  • [学会発表] 発達障がいのある大学生に対する就労移行支援~継ぎ目のない支援を目指して~2013

    • 著者名/発表者名
      西村優紀美、桶谷文哲、水野薫、日下部貴史
    • 学会等名
      日本学生相談学会第31回大会
    • 発表場所
      沖縄大学
    • 年月日
      20130518-20130519
  • [図書] 発達障害のある高校生の大学進学2014

    • 著者名/発表者名
      高橋知音、上野一彦、村山光子、西村優紀美、篠田春男
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      金子書房

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公開日: 2015-05-28  

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